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番長が旅した37ヵ国の旅行記など。ほとんど一人旅。3年半のイギリス滞在を終え、2010年2月に日本に帰ってきました。


by bancho55a

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トルコ・ギリシャ旅行~第7日 その4・ギョレメの星夜

「その3」から続きます。

1時間ほどメールチェックしたり、次の町、サフランボルの情報を仕入れたりしたあと、さ、そろそろ帰るかな、と立ち上がり、ドアの方を振り向くと、ちょうど誰かが入ってくるところだった。入口のあたりは暗いので誰だか分からない。

「あ、ここにいたんだ?」
けだるい声の主は、ハクだった。

「あ、うん、ネットやってたの。」
と言った後、なぜかSのことを話し始めてしまった。さっきの余韻が続いていたのかもしれない。

「・・・と、そんなわけで、とても良い子でね。私はそれまで、仕事に関しては日本人が一番素晴らしい、なんて思ってたけど、Sに会って、日本人だけじゃないんだって思って、で、トルコにちょっと興味を持ったんだけど。」
「ふーん、そうなんだ。まあ何にしろ、トルコに対する見方が良い方に変わったっていうのは良いことだね。」

とハクは言い、続けて、

「夕飯はもう食べた?」
「あ、ごめん、外で食べちゃった。」
「あ、うん、それは全然いいんだけど・・・」

一瞬、言いよどんだ後、

「じゃあさ、よかったら、これから飲みに行かない?このあと友達の店に行く予定なんだけど、そこなら他のトルコ人とも話せるよ。」

うーむ!!

正直、どうしようかな、と思った。「女一人旅」的には、行かない方が良い状況である。ましてやトルコ。イスラム教国で女性が夜、飲みに行くのってかなり不良なんじゃないの?行った先で危ない目に遭ったら?ていうか、私、軽く見られてる?・・・いろいろネガティブな考えが頭を駆け巡った。

番「どうしようかなー、私、明日朝早いし・・・」
ハク「1杯だけ飲んで帰ればいいじゃない?僕も、ちょっと飲んだら別の友達の店に行くつもりだし。その前に帰りたいなら、車で行くから、ついでにホテルまで送ってあげるよ。5分もかからない場所だから。」

車か・・・。よけいヤバそうな状況。

番「ていうか、車って・・・」
ハク「大丈夫、飲んでも運転できるから。」

いや、飲んだら運転しちゃアカン!

迷ったが、結局行くことにした。普段なら行かないんだけど、相手がハクというのが大きかったかも。さっきいろいろ話して、悪い人間でないということはおぼろげに分かったし、ハクは頭が良いから、つまんないことでリスクとるタイプじゃない、そういう意味では安全だろう。

番「よーし、行こ-!さ、さ、」
ハク「あ、あの、ちょっと待って・・・僕まだ仕事中・・・」

^^;

ということで、30分後に待ち合わせすることに。部屋に戻り、明日の出発に備えてパッキングし、飲んで帰ったらどうせ風呂入る気力がないからと、先に風呂にも入る。あー、化粧しなくていいのって楽~!(ヤケ。さすがにこの時は、口紅の1本か、眉ペンシルの1本も持って来ればよかったとちょっと後悔した。ハクみたいな可愛い男の子と飲みに行くのに。)

40分後に(すいませんグズで)空中楼閣に行き、そ~っとレセプションをのぞきこむと、おお~、ミーティングの真っ最中。4~5人のスタッフに対し、ハクが次々と指示出ししている。ハクを除いて全員立っているところを見ると、なるほど、ハクってやっぱマネジャーだったのねえ。と納得。すっかり仕事の顔つきだ。

これはジャマしちゃアカン、と、そろ~りと退散する。が、目ざといハクと最後に目が合った気がした。気づいてさえくれれば、ハクのことだからなんとかするだろう。ハクは私の日本人の某友達に似ているので、行動パターンが想像しやすい。

どうしよー、またネットでもするかな~、と思いつつ、テラスに出ると、わぁ~、素敵な夜景!このホテルは小高い丘の中腹にあり、ここから見るギョレメの夜景は本当にいつでも見とれてしまう。
(写真はまたもやホテルのウェブサイトから拝借)
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「やあ、どうも・・・元気?」

不意に後ろから声をかけられた。振り向くと、トルコ人の男の子が立っている。知らない男の人から声をかけられるという状況は、女一人旅的にはろくなことじゃないので、ちょっとムッとする。

「うん、元気だよ。」

それでも無視するのは失礼なので、素っ気なく答えるが、相手もめげずに

「今日はどんな一日だった?」と聞いてくる。

うー、うざい~。悪い人ではなさそうだけどめんどくさい~。

「うん、ツアーに行ってきた。良かったよ。」

簡単に答え、居間に入ろうとすると、相手はあわてて

「あ、、、あのさ、ハクが、もうちょっとしたら飲みに行こうって・・・」

なぁんだ、ホテルのスタッフか。しかも一緒に飲みに行くのか。ほっとした。やはりさっき、ハクは私がレセプションに来たのを見ていたらしい。さすが。

この男の子はヨッちゃん(仮名)、20代前半くらい。野村義男みたいに、ニコニコして見るからに性格の良さそうな男の子だ。

番「このホテルでどんな仕事をしているの?レセプション?」
ヨ「うーん、いろいろだなぁ・・・。レセプションもやるし、レストランで食事を運んだり、空港まで送迎したり・・・人が足りないからなんでもやらないといけないんだ。」

そ、それは・・・ハクにいいように使われてるということでは・・・^^;

ヨ「でも楽しいよ。僕はもともと、向こうにある絨毯屋で働いていたんだ。毎日、店の外に出て、歩いてる人に向かって、『暑いですね~、チャイ飲みませんか~?絨毯見ませんか~?』、この繰り返しだよ。そしたらある日、ハクがやって来て、『うちで働かない?』って言ったんだ。」

「でも、その時は断った。ちょうど、絨毯について勉強して、いろいろ覚えてきたところだったからね。そしたらハクは『ふぅ~ん』って言って、『じゃあそのうち、1日だけ働きに来てみたら?』って言ったんだ。」

うう、、、うまいなハクっ!!!

「で、ある日、1日だけ行ってみた。それが3日になり、1週間になり、とうとう試用期間の3ヶ月が終わる頃には、僕はすっかりここで働く気になっていたし、ハクからも正式採用するって言われたんだ。」

番「絨毯屋よりホテルの方が良かった?」
ヨ「実は、給料は同じなんだよ。でも、絨毯屋にいたんじゃ英語は上達しない。毎日同じセリフの繰り返しだ。でもここは違う。あるお客さんが、僕の知らない単語を言ったとする。その意味が分かったら、今度はそれを、次のお客さんに対して使ってみる。そうやって英語が上達していくんだ。一方的に話すんじゃなくて、コミュニケーションが取れるのは楽しいよ。」
番「英語は学校では習わないの?」
ヨ「僕の英語は全部独学だよ。」

偉い!確かにヨッちゃんは、私と話していても、時々、私の使った言葉を2~3回、繰り返していた。ああやって自分のものにするんだろう。今はまだボキャブラリーも少ないし、少したどたどしいが、カンも良さそうだし、あの分ならすぐに話せるようになるに違いない。

番「絨毯屋って、やっぱりノルマとかあるの?」
ヨ「うん、あるよ。っていうか、僕の店では、冬になるとオーナーがアメリカに出張販売に行ってたんだ。その間は僕が店を預からなきゃいけない。大変だったよ。」

ヨッちゃんはまじめで面倒見も良さそうだから、オーナーも重宝していたに違いない。

ヨ「ここに来て、最初はあそこの、下にあるホテルで働いていたんだ。そしたらある日、またハクが来て、上が忙しいから上を手伝ってくれ、って言われた。それ以来、ここで働いてるんだ。」
番「下って、、、あのホテル?あそこも系列なの?」
ヨ「うん、あれと、あれと、、、、、、この6つがうちの系列のホテルだよ。」

ひょえ~~、そんなにたくさんあったとは。んで、ハクはその全部のマネジャー!?もしかして、え、、、偉い!?あの童顔が!?^^;

「お待たせ。」

そこへハクがやって来た。やっと仕事が終わったらしい。わーい、飲みに行くぞ~!一人旅だと夜、飲みに行く機会がないので、こういうチャンスは本当にうれしい。(と言いつつ今日は既にレストランでビールとワイン飲んでるんだが)

ホテルを出て、駐車場までの一本道を歩く。ハクとヨッちゃんが前を歩き、後ろからついていく番長。夜の散歩が好きなので、ついキョロキョロしてしまう。

「ねえ、ランボルギーニには乗ったことある?」

不意にハクが振り向き、けだるくたずねた。

「ランボルギーニは・・・ないなぁ。」
「そう?じゃ、これが初めてだね。」
「ええーーっ、車、ランボルギーニなの?すごいー!リッチー!!」

ギョレメのような素朴な村にランボルギーニはちょっと合わない気もするが、さすがは6軒のホテルのマネジャーだ。

「さ、ランボルギーニだよ。」

少女マンガのごとく、瞳に星を輝かせた番長の目の前に登場したのは・・・!

・・・・・・。

ランボルギーニとは似ても似つかない、恐ろしくガタの来たオレンジ色の車だった。

「へーすごーいーかっこいいーごーじゃすー」

思い切り皮肉に棒読みすると、ハクとヨッちゃんが腹を抱えて笑い転げる。

ハク「ランボルギーニの初代モデルなんだよね。」
番「あー、どーりで私が見たことないわけだー(思い切り嫌味)」

白けた空気と爆笑の中、オンボロ車に乗り込み、さて、発進。すてき~、夜のドライブ♪車は漆黒の闇の中を、冷えた夜気に包まれ、すべるようにガタピシと走り、、、

・・・。

2分後、到着。

お前ら、歩けーーーーっ!!(笑)

ホテルまでの坂が案外きついから、酔った帰りに歩いて登りたくないのは分かるけどねえ。

着いたのは、さっきローカルからの帰り道でも見た、ひなびたバーだった。いかにも「村の若い衆がやってる」感じの店である。車を降りて、歩き出す3人。・・・と、ヨッちゃんがハクに何かトルコ語で言った。

「・・・!」

カッコつけたがりのハクは苦笑し、そそくさと車に戻り、ライトのスイッチを切る。あれ、意外とおっちょこちょい・・・?

バーの中は、簡単なテーブルと椅子がいくつか並び、中ほどにカウンター、その奥にスヌーカー(ビリヤード)の台がある、まあ、プールバーでありました。店員もお客さんも全員知り合いらしい。まあ、小さな村だから当然だろう。ハクがトルコ語で私のことを何か説明してる。お客さんを連れて来たとかいうことだろう。ちなみに、そこにいる10人あまりの全員が男性だった。あ~もう、番長ったら、おっとこまえ!

そこら辺のテーブルに着き、

ハク「何飲む?」
番「えーと・・・(ビールもワインも飲んじゃったしなぁ・・・)みんなは何飲むの?」
ハク「僕はラキ。」
番「あっそれそれ、それ飲んでみたかったの!」
ハク「ええっ、ラキ飲むの?すごい強いお酒だよ?」
番「うん、大丈夫。」

ラキはギリシャのウゾと似た蒸留酒で、水を加えると白濁する。トルコ版焼酎といった感じのお酒で、飲んでみたかったのだが、さすがにレストランで女1人で注文するのは憚られていたのだった。

ヨッちゃん「僕はビール。」

そしてハクがお酒を運んでくる。あんたウェイターですか^^;

ハク「これがラキ。本当に強いお酒だからね、少しずつ飲むんだよ。ビールみたいにグイッて飲んじゃだめだからね。」
番「へいへい(・・・お酒強いから大丈夫だよ~ん^^)」

かんぱ~い♪(結局、おごってもらいました。ハク、有難う^^)

ラキは白濁、というより、レモンイエローだった。ジュースで割ったのかもしれない。細長いグラスの、口のふちまでなみなみと注がれている。飲んでみると、アニスの香りがしてなかなか美味しい。くせになるというのもうなずける味だ。でも確かに強そう。今日は3杯目だから、勝手が分かるまでは、ハクの言う通り、ゆっくり飲んどこう。

ハク「さてと・・・。僕は昨日のゲームの続きがあるから、スヌーカーやらないといけないんだ。スヌーカーはできる?」
番「あー、できないんだよね・・・。」
ハク「そっか。じゃ、あっちのテーブルに移動して、やるの見てる?あ、それとも・・・」

いいこと思いついた、という表情で

ハク「バックギャモンはやったことある?」
番「あ~、それもないんだよね・・・。」
ハク「じゃ、ヨッちゃんに教えてもらいなよ。」

と、ヨッちゃんになにやらトルコ語で話す。あっちの棚からボード持ってきて、教えてあげて、みたいな感じだ。

というわけで、番長のお守りなんかを押し付けられてしまったヨッちゃん。ご・・・ごめんねヨッちゃん、上司の命令には逆らえないよね・・・。

同情しつつも、バックギャモンが習えるのでとっても嬉しい番長。初めてアメリカで見た20年前から、いつかやってみたいと思っていたのよ~。

バックギャモン、なかなか面白かった!そしてまた、ヨッちゃんの教え方がうまいのだ。初心者でヘタクソな番長にも辛抱強く付き合ってくれるし、最初はいちいちアドバイスするが、だんだん番長が自分で考えられるように・・と段階的に教えてくれるし、わざと勝たせてくれてモチベーションあげてくれるし。面倒見の良い、いい先輩とか上司とかになりそうな感じである。ハクが自分のホテルにヘッドハンティングしたのもうなずけるな。

ゲームに夢中になっていたところへ、ハクが現れた。

「あれ?まだ飲んでないの?美味しくなかった?」

そういえば、ラキを一口しか飲んでいなかった・・・ていうか、アンタがちびちび飲めっつったんじゃんか!

番「うん、ゲームに熱中しちゃって。味は美味しいよ。」
ハク「バックギャモンはどう?」
番「とても面白い。それに先生が良いから。」
ハク「でしょ?ヨッちゃんは教えるのがうまいんだ。僕もバックギャモンはヨッちゃんに習ったからね。」
番「うん。・・・あれ、どこか行くの?」

ハクが愛用の革ジャンを着込んでいる。

「うん、外でタバコ吸ってくる。」

そしてハクはヨッちゃんと何かトルコ語で言い交わし、笑い合った後で外に出て行った。これがハクを見た最後だった。結局、最初に言っていたとおり、別の友達の店に行ったらしい。おかげで車で送ってもらえなかった!と思ったが、そういえば、私も最初は20分くらいで帰る、とか豪語してたんだっけ。ついバックギャモンに気をとられてしまった。

バックギャモンを続けながらラキの酔いが回り始めたころ、ヨッちゃんが店の人と何か話し、番長に向き直った。

「あのさ、この店、もう閉店なんだって。」

ありゃっ!!

時計を見ると、もう夜の11時半!あれ~~、10時に帰るつもりだったのに、いつの間にこんなことに!

外に出ると、家々の明かりもほとんど消え、空気はぐっと冷え込んでいる。ハクの車はそのまま置いてあるので、どこか近場で飲んでるのだろう。

ヨ「良かったらもう1軒行かない?それとも、ホテルにもバックギャモンあるから、居間で遊んでもいいし。」
番「いや~、私明日早いから、もう帰って寝ないと。」
ヨ「そう?じゃ、帰ろうか。」

車で2分、歩いても10分もかからない。明かりの消えた道は少し怖いけど、ヨッちゃんがいるから安心だ。

ヨ「大丈夫、ここは本当に安全な村なんだよ。さっきも、ハクは車のカギかけなかったでしょ?それで物が盗られたりすることはまずないし。」

本当に、空気が安全そのものなのだ。なんと言ったらいいか分からないけど、「いい感じの、美味しい空気」なのである。本当にギョレメはいい村だと思う。

番「ねえ、さっきのバーでは女の子がいなかったじゃない?トルコでは女の子は飲みに行かないんだよね?」
ヨ「う~ん、そうかな。皆、恥ずかしがりやなんだよね。でも夏には女の子も一緒に飲みに行くこともあるよ。」

ホントかな?あとで誰かに聞いたのだが、「トルコで夜10時過ぎて店で飲んでるのは売春婦」だとか。あら、するってぇと、あたくし・・・(すっぴんの売春婦というのはいかがなものか)

飲んだ体には、ホテルまでの坂登りはかなりきつい。それでも、夜のギョレメ散歩はとても美しく、楽しかった。

Sからのメールをチェックしたかったので、パソコン居間に寄る。ヨッちゃんもついてきて、ソファの上で今にも寝こけそうだ。今朝見たワンコみたいでかわいい(失礼!)。ねー、もっと遊ぼうよ~、明日サフランボルに行くのやめてもう1泊しなよ~と眠そうにつぶやいている。はては、何で昨日は来なかったの?待ってたのに!とまで。昨日・・・?昨日の夕食のこと?そして、君はどんな仕事しているの?と聞くので、一般事務、と言うと、

「このホテルにも一般事務の仕事があるよ!ここで働きなよ!」

まさかトルコでヘッドハンティングされるとは(笑) それよりおかしかったのは、

「ねえねえ、」

と言うので振り返ると、

「あっごめん、君は振り返らないでいいんだよ、パソコンやりながら聞いてるだけで。」

と慌てて言う姿に人柄がにじみ出ていて、思わず微笑んでしまった。ほんとにヨッちゃん良い人だ。

酔って、疲れて、さすがにもう睡魔とは闘えず、ほどなくして部屋に戻り、ばたんきゅー。旅の最中にトルコ人の子達と飲めるとは・・・思いがけず楽しい一日だった。
# by bancho55a | 2010-01-23 10:03 | 09.11 トルコ・ギリシャ

トルコ・ギリシャ旅行~第7日 その3・硬派な話

11月20日(金)

そんなわけで、夕食前に、やらないといけないことをやりにいく番長。
部屋を出て、ハマムの居間を抜け、外に出て階段から階段へと飛び移り、空中楼閣のテラスから居間に入り、隣のレセプションへ。(だいぶ慣れてきたぞ、このホテル♪)
写真が無いのも寂しいので、ホテルのウェブサイトから拝借します。
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誰かいるかな~とレセプションをのぞきこむと、ハクが静かに仕事をしていた。これは都合が良い。
ハクは、このホテルのマネジャーです。30歳くらい、可愛い顔にハードな革ジャンがお似合い。いつものように、少しけだるそうに話しかけてくる。

ハク「元気?どう、楽しんでる?」
番長「うん、今日はツアーに行ってきたよ。そうそう、バルーン、危なくなかったよ(笑)」
ハク「そう、バルーンは安全なんだよ。」
番長「うん、でさ、私、明日朝早くチェックアウトするから、今のうちに支払いしとこうと思って。」
ハク「OK、そこに座って。」

と、パソコンに向かってキーボードを叩くハク。ツアー営業や10%割引など、全部ハクと話をした内容なので、支払いも確認しやすいから便利だ。パソコンの画面を見ながら、清算書に手書き(!)していくハク。そして、電卓で計算。あ、あの~、かなりアナログですね^^;

ハク「じゃあこれで。確認してくれる?」

正直、ハクの仕事に手落ちはなさそうなので確認する必要はないが、トルコリラやユーロが混ざっているのでいちおう見ておく。はい、では支払いを。

ハク「明日はどこに行くの?」
番「サフランボルに。で、イスタンブールに戻ってロンドンに帰る。」
ハク「ロンドンにはずっと住む予定なの?」
番「うん、そうしたいんだけど、今ビザが厳しいからどうなるか分からないんだ。本社と交渉してもらってるんだけど、日本に帰る可能性の方が強いかな~」
ハク「日本に帰りなよ。イギリスなんてちっとも良くない。日本がいいよ。」

・・・・・。

今までけだるく話していたハクが、急に語気を強めたのでちょっとびっくりした。なんでそんなに確信を持って言うんだ?ハクの英語はほとんど訛りがないから、アメリカかイギリスに留学したんだろうとは思っていたが、イギリスで嫌な目にでも遭ったんだろうか?(これについては、次の町、サフランボルで、もしかして?と思い当たる事があった。)

番「んー。分かってるよ、日本が素晴らしい国だって。何を比べても、イギリスより日本の方がずっといいんだよ。だけど、、、」
ハク「だけど、イギリスが好きなんだね。」

・・・・・・。

そうなのだ。最悪なカスタマー・サービス、すぐ壊れる電化製品、いつも遅れる交通機関、ゴミだらけの街、意地の悪い人々、階級制度、人種差別、何から何まで。イギリスに対して何千回、何万回もついたため息を、3歩あるくと忘れてしまう番長、なんでいつまでも学習しないの?それは、やっぱり、イギリスが好きだからなんだろう。

番「ハクは日本に行ったことがあるんだっけ?」
ハク「うん、3ヶ月くらい行ってた。」
番「語学の勉強?」
ハク「ううん、その頃はもう日本語が少し話せたからね。」

と言った後で、小さな声で

「大学デ、日本語ヲ、勉強シマシタ。」

と日本語で話した。英語と同じ、訛りのほとんどない日本語。でもそれ以上話そうとしないのは自信がないからだろう。プライド高そうだからなぁ。

ハク「日本には友達がいたから、あちこち泊まり歩いて安く旅行したんだ。日本人の友達、トルコ人の友達。日本女性と結婚して日本に住んでるトルコ人も意外といるんだよ。」
番「そういえば、今朝のバルーン会社にもトルコ人と結婚した日本人女性がいたよ。」
ハク「あっそうだね。えーと、彼女の名前は・・・○○。」
番「じゃあきっと、ハクは私よりも日本のいろんなとこに行ってそうだね。」

ハクは丁寧に微笑した。

番「じゃあさ、そんなハクから見て、日本の良い所と悪い所って何だと思う?何言われても腹立てないから、言ってみて。」
ハク「良い所は、トルコと違うところだ。いろいろ違うところがあって、それが良い。」

ハクにしては歯切れの悪い回答だ。たぶん、とっさに「良い所」が見つからなかったんだろう^^;

番「悪い所は?」

遠慮するかと思ったが、ハクはむしろ身を乗り出して話し始めた。

「特に若者に言えることだけど、アメリカナイズされすぎてることだね。日本はアメリカよりもずっと長い歴史があるのに、なんであんなにアメリカ礼賛なの?アメリカに頼りきってるみたいだ。もちろん知ってるよ、いろんな点で、アメリカの傘の下に入らなきゃいけない事情があるっていうのは。でもやりすぎだ。そういう意味で、今回、政権が交代したのはいいかもしれないね。新政権はそれほどアメリカべったりじゃなさそうだから、アメリカ離れするいい機会かもしれない。」

番長が口を挟む余裕も無く、熱のこもった口調が続く。

「日本はもっと自分の歴史から学べることがたくさんあるはずだ。もったいないよ。日本のあちこちを周ったけど・・・カミカゼ博物館には行ったことある?」

な、なんか話がヤバそうな方向に・・・^^;

番「カミカゼ博物館?そんなのあるの?」
ハク「チランにね。」

知覧のことか。

ハク「イブスキの近くだよ。あそこには、出征前の若い兵士の手紙が展示されている。母親に宛てた手紙がね。読んでると涙が出てくるよ、心が痛む。映画にもなったでしょ?イオウジマ。」

『硫黄島からの手紙』か。見てないんだよなぁ。。。あ、それで昨日、渡辺謙の話が出たのか。

ハク「でも、アメリカナイズの問題は日本だけじゃない。トルコもそうなんだ。トルコだって、アメリカよりもずっと長い歴史があるのに、若者は日本と同じように、ウェスタナイズされすぎている。街を歩けば欧米のブランドばかり。その服が似合うから、好きだから買うんならいいけど、みんなただ見せびらかしたいだけなんだ。」

あのけだるいハクからこんな熱い硬派な話が聞けると思わなかったので驚いたが、とても面白かった。

ハク「ところでさ、日本の最近の男の子で、化粧してるのを見てびっくりしたんだけど・・・あれはどうなの?」
番「うん、、、私もあれはちょっとイタダケナイかも・・・」
ハク「良かった、そう思うのは僕だけじゃないんだね。」

でも正直、華奢で可愛いハクに化粧は似合うかも。

もっといろんな話を聞きたかったが、考えてみたらハクは仕事中だったので、そろそろおいとますることにした。

ハク「そうか、うん、、、君と話せてよかったよ。夕飯はどうするの?ここで食べてく?」
番「うーん、どうしようかな。それも1つの案だけど・・・」
ハク「そうしなよ、ここのご飯は美味しいよ。こんなケーキも食べられるしね。」

ちょうど、別のスタッフがハクのデスク上に大きなケーキを置いていったところだった。ハクとケーキ。。。妙にお似合いだ(笑)。でも昨日、番長がここのレストランについて聞いた時は、「外にも美味しいレストランがたくさんあるよ」と、気のない返事をしてたのに。ま、そのおかげでローカルで美味しい食事にありつけたんだけど。そうそう、ローカルのシェフに今日も来いと言われてたんだっけ。

番「ま、部屋に戻ってから、ここで食べるか外に行くか決めるわ。」
ハク「お好きなように。じゃあね。」

ハクはもうすっかり、もとのけだるい調子に戻っていた。

ギョレメに似合わない硬派な話をしちゃったな~と思いつつ、ハマムの居間を通り抜けて部屋に帰ろうとすると、昨日番長の体を洗ってくれた、キルギス人の男の子がぼんやりと居間のソファに座っていた。今日はこれ以上予約がないので、もう仕事も終わりだという。なので、ちょっと話してみた。

番「キルギスからトルコに来る人って多いの?」
キ「うん、わりといるよ。」
番「トルコ語はこっちに来てから習ったの?」
キ「うん。」
番「私、よく知らないんだけど、キルギスってソ連から独立したんでしょ?前よりも自由になったって思う?」
キ「うん、そう、、、ごめん、僕、あまり英語はなせないんだ。でも、昔、昔、大変だった。厳しかった。でもそこで、ボム!それがなくなった。新しい世界だ。自由、自由だ!」

とても優しい顔をしている子だけど、さっきのハクのように、熱をこめて話していた。何とか分かって欲しい、伝えたい、という気持ちが伝わってくる。日本の一般的な若者とは違うな・・・と思う。日本は世界の国の中でも平和な方だから、それだけ、国の体制とか歴史について、身近に感じる機会が少ないのかもしれない。

部屋に戻り、ちょっと考えたけど、やはり昨日のレストラン、ローカルに行くことにした。とても美味しかったので。

夕暮れの中をローカルに向かって歩く。ギョレメの村の中は、本当にゆる~くゆる~く時が流れていて、ほっこりと幸せな気分になってくる。奇岩もだいぶ見慣れてきたけど、それでもやはり不思議な感じだ。

ローカルに着くと、昨日はいなかった、スーツを着たマネジャーみたいな男性がいた。店の雰囲気も昨日より緊張感がある。考えてみれば、昨日は午後4時頃?中途半端な時間だったので、マネジャーもいなくてのんびりしていたのかもしれない。

テーブルについてメニューを見る。てっきりシェフが出てくるかと思ったが、そんな雰囲気の中では影も見えなかった。しかたなく、ウェイターに「昨日、シェフのお薦めがあるって言われたんですが・・・」と聞いてみる。

ウェイターは奥に行き、少したって戻り、「こちらの料理がお薦めだと言っています。」と告げた。見れば、昨日、最初にシェフがしきりに薦めていた料理である。「妖精の煙突」という、この地方のある種の奇岩の呼び名がついていた。それとビールを注文する。

さて、出てきたのはこの料理。見かけは悪いけど、食べてみると
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「美味しい~~、美味しいぞお~~!」

昨日からの期待を裏切らない、これまた美味しい料理でした。思わず赤ワインをオーダーしてしまう。

マネジャーらしき男性は、向こうにいるカップル客の知り合いか、いろいろと談笑し、帰り際に
「あなた達はこの店の特別なお客様です。またぜひいらしてください。」
と、満面の笑みで見送っていた。そのあと番長のテーブルに来て、

「あなたも当店の特別なお客様です。うちのシェフは、あなたのために、メニューにない料理を作ったんですよ!」

とニコニコと話した。えー、さっき、ウェイターさんが「こちらの料理です」ってメニュー指差してたけどなぁ。

さて、デザートを頼もうか、どうしようか・・・と思っていると、奥から昨日のシェフが、フルーツの盛り合わせを手に現れた。サービスしてくれるらしい。わーいありがとう!数種類のフルーツがきれいにカッティングされ、美しかった。シェフは昨日と違ってちゃんと制服を着ている。「今日の料理も美味しかったよ!」と言うと、嬉しそうに、しかしちょっと他人行儀に挨拶して戻っていった。マネジャーの目が光っていたからか。

満腹を抱え、ヨロヨロとホテルに戻った。まだ夜の8時だけど、明日も早いし、寝るかな・・・と思いつつ、どうせこの満腹ではすぐには寝られないので、ネットやりに行くことにした。これから先のホテルでネット環境があるかは疑問だし。

いつもの、レセプションの隣の居間のパソコンを見るとふさがっていたので、もう一つのパソコン部屋へ。こちらはテラスの奥にある、別の居間の中にある。居心地の良い部屋だが、たいてい誰もいなくて貸し切り状態だ。それがさらに居心地よさを増しているのだが。

フェイスブックをチェックすると、なんたること!2年前、英語学校で働いていた頃のトルコ人の同僚Sから友達リクエストが来ていた。今はトルコに戻っていると言う。イスタンブール近くのブルサという町に住んでいるが、どうも旅行中には会えそうにない。惜しい事を・・・!Sは本当に心の優しい、良い子だったのだ。仕事もサボらないできちんとやっていたし、番長が困っている時もいろいろと助けてくれた。「自分の仕事じゃないから」と、他の皆がさっさと逃げてしまう時も、「いいよ、やるよ。心配しないで。」と、きつい仕事を引き受けてくれたり。そんなところが日本人みたいで、感動したのを覚えている。

今回は会えなかったけど、こんどトルコに来る時には絶対ブルサに寄ってSに会うぞ!(そしてブルサには温泉もあるのだ!笑)


・・・ここで字数制限に達したので、その4に続きます。
# by bancho55a | 2010-01-23 10:01 | 09.11 トルコ・ギリシャ

トルコ・ギリシャ旅行~第7日 その2・一日ツアー

11月20日(金)

というわけで、1日ツアーのマイクロバスに乗り込む番長。他の参加者はオーストラリア人の、ムッと黙り込んだ年配のご婦人2人と、しょっちゅうジョークを飛ばして陽気な笑い声を上げるイギリス人夫婦。ちなみにイギリスはマンチェスター出身ですが、今は仕事の関係でトルコ在住だそうです。

ガイドさんは、大学院で観光学を勉強したばかりという、可愛いトルコ人女性。まずは元気よく、渓谷ウォーキングです。バラ色の岩で有名なローズバレーからゼルヴェ峡谷まで歩きます。ローズバレーは、本当は夕日の頃がきれいなのですが、まあ、今朝、気球で朝焼けのローズバレーを見たからいいかな^^

奇岩が並ぶ道をひたすら進む6人。岩肌のところどころに穴が開いていますが、そこにはなんと30年前まで、人間が住んだり、鳩を飼ったりしていたのだそうです。中には壁画があるそうですが、まあこれは昨日、屋外博物館で同じようなのを見ているからいいかな。

あ、、、ところで、ここで一つお詫びが・・・。

写真、、、無いです^^;

えーと番長といえば、旅に出るたび、懲りずにバッテリー切れの運命に遭うんですが、、、今回は出がけにばっちり充電してきたんですが、、、充電器を持ってくるのを忘れました(すげえバカ!)ということで、気球ツアーの真っ最中にバッテリー切れ寸前表示が点滅!これが点滅するとあと10枚くらいしか撮れないので(←何度も経験しているのでよく知っている。が、学習しない)、そこからはピタッと撮るのをやめました。たぶん、カッパドキアの写真はウェブ上にあふれてるだろうけど、次の町、サフランボルの写真は少なそうなので、あと10枚はそこで使おうと思ったわけです。

というわけで、想像をめぐらせてお楽しみ下さい^^;

えー、で、渓谷ツアー。年配のご婦人にはかなりつらそうですが、滑りやすい道でもゆっくりと確実についてくる、素晴らしい健脚のお2人でした。

1時間ほど歩いた後、またマイクロバスに乗り込み、次はパシャバーへ。キノコ岩で有名な所です。さすがにこれは撮らないとアカンでしょう?貴重な1枚を使いました。まるで童話の世界です。
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お次はアヴァノス。陶芸で有名な場所です。つまり、ツアーには欠かせない「みやげ物や」です。まずはろくろのある部屋に通され、チャイを飲みながら、陶芸職人が小さな壷を作る様子を見学。その後、参加者の中から、イギリス人のだんなさんが初挑戦。結果・・何とも形容しがたいものが出来上がったところで、爆笑と共に隣のショップへ。「今なら3割引き!」とか言われますが、番長は基本的に、ツアーで連れて行かれたみやげ物屋では買わない主義なので(←ガイドさんから最も嫌われるタイプ)、ニコニコとウィンドーショッピング。そして、あとの4人も何も買わずに店を出る。ガイドさん、明らかにガッカリ。欧米人って、そういうとこしっかりしてますよね。(注:ケチとも言う)

さて次は、お楽しみのランチタイムです^^ ひなびた村の1軒のレストランへ。オフシーズンのせいか、貸し切り状態です・・・。いくつか料理が出てきましたが、中に「マントウ」があるとのこと。えっ、それって饅頭では!?と思ったのですが、残念ながら「dumplingではありません。」だそうで。小粒のパスタみたいな感じでした。以前、うちの母がどこで習ったか、ハルシュキというものを作ってくれたのですが、それに似てたかな。

全体的に、味は悪くはなかったのですが、特に美味しいとも思えず。そして何より、

「肉が・・・ない!?」

ベジタリアンメニュー!?と言えば聞こえは良いですが、どうも、まあ平たく言ってしまえば「かなりケチった食事」っぽかったです。なるほど、ツアー代金も安いわけだ。

食事中は皆であれこれ話をしたのですが、いや~、マンチェスター出身のご夫婦。・・・訛ってます!英語訛ってます!(←お前が言うな。)番長が「サフランボルまでは飛行機も飛んでないし・・・」と言いかけたら、奥さんが番長に向き直って

「ブス。」

ひ、ひどい~~!!いくら番長が眉毛が無いからって(←深刻なコンプレックス)、そんな、面と向かって真実を・・・キィ~~くやしい~~!!

・・・と思ったら、「バス」のことでした。ほっ。

昼食後。といえば、もちろん睡魔が襲いますよね。車の中でうつらうつら、、、

「グッドモーニング!」

ふいに車内にガイドさんの大声が響き、飛び起きる番長。周りを見回すと、全員が番長の顔を見て大笑い。えーと、目的地に着いたのに、思いっきり寝こけてたのかしら?おほほ・・・しまった。その後、イギリス人のだんなさんにさんざんからかわれました。くそ~~。

ここはカイマクルの地下都市。紀元前400年には既に存在していたという、かなり大規模の地下の町です。何てったって、2万人が暮らしてたそうですから。ちなみに、もっと有名なデリンクユという地下都市があり、こちらは住民4万人、地下8階まであったそうです。カイマクルは地下5階ですが、それでもかなり息苦しかったです(ホコリよけにスカーフで顔を隠してたせいもあるけど)。他の参加者はちょっと咳き込んでました。

ここはさすがにガイドさんが一緒じゃないとダメですね。すごく入り組んでいて、方向音痴の番長はいったん入ったら、もう一生、外に出られないって感じです。そして、町の機能が全部備わってるのがすごい。礼拝堂、学校、寝室、厨房、食料庫、井戸まで。一説によると、他の町まで地下を通っていく道まであるとか?いやほんと、すごいです。

中に入る時、ちょうど見学を終えて出てきた日本人グループの人達が「外の光だー!」「助かった~!」と口々に叫んでいて、「またまた~、大げさな~」と思ったのですが、、、番長も最後に同じことを感じました。

最後はワインの試飲です。こぎれいなワインセラーで、2種類のワインを味見。「トルコのワインってどうよ?」と思ったのですが、これがなかなか美味しかったです。といっても番長、ワインに関しては全くの無知なんですが・・・。

番長が1人でぐびぐび飲んでる姿が寂しそうに見えたのか?オーストラリアのご婦人が話しかけてくれました。相変わらずムスッとした顔つきなので、最初はちょっと怖かったのですが、実はとても優しい人で話も盛り上がりました。お2人とも学校の先生だそうで、それでちょっと厳しい表情なのかしらん?^^;

ガイドさんは、ここでまた誰かが買ってくれることを期待したのでしょうが、、、またもや全員無視です。すまんねえ。ま、それでもめげずに明るく振舞うガイドさんでありました。ガイドさんの中には、買わないと明らかに不機嫌になる人もいるそうなので、そういう人に当たらなくてよかったです。

ちなみに、海外のツアーでは、最後にガイドさんにチップを渡すものだと思っていたのですが、オーストラリア人の2人はさっさと帰ってしまい、ガイドさんはイギリス人夫婦に誘われてお茶を飲みに行ってしまったので、結局チップを渡しそびれた番長。まあ、トルコにはチップの習慣がないので、、、それで良かったのかな?ちょっと疑問。

さて、自分の部屋に戻ってひといき。夕方5時。今日は気球ツアーで早起きしたので、さすがにくたくたです。でも明日は次の町、サフランボルに朝早くに移動しないといけないので休んでいられません。そうそう、その前にやらなきゃいけないことがあったんだった。それをサクッと終えたらご飯食べて寝ちゃおうっと。

・・・まさか、このあと意外な展開で、深夜まで起きている羽目になろうとは、この時は想像だにしなかった番長でありました。

続きはまた次回。
# by bancho55a | 2010-01-19 06:03 | 09.11 トルコ・ギリシャ

トルコ・ギリシャ旅行~第7日 その1・気球に乗ってどこまで行こう?

11月20日(金)

ときにはなぜか大空に 
旅してみたくなるものさ
気球に乗ってどこまで行こう 
風に乗って野原を越えて
雲を飛び越え どこまでも行こう
そこに何かが待っているかランララララララ・・・

ときにはなぜか大空に 
旅してみたくなるものさ
気球に乗ってどこまで行こう 
星を越えて宇宙を遙か
星座の世界へ どこまでも行こう
そこに輝く夢があるから ララララララララ
(JASRAC 024-8418-8)

番長の大好きな合唱曲です。


いよいよ気球ツアーの日です。早起きが大の苦手の番長でも、4時半には起きないといけません!しかし番長の部屋には電話がついていない。モーニングコールができないではないか!昨夜、ホテルのスタッフに「気球だから、ドアどんどん叩いてね!」と言うと、「まかせとけ!それでも起きる気配がなかったらドア蹴破ってやるぜ!」とたのもしい言葉が^^;

まあ、そんなものなくても、トルコでは国の隅々まで朝の祈りの歌スピーカーが張り巡らされているので大丈夫(爆)

朝の4時半。このホテルはちゃんとしてました!激しくドアを叩く音が。番長の部屋のドア付近は周囲の部屋から孤立しているので、周りに迷惑もかかりません。それでも蹴破られては大変なので(笑)、あわててドアにかけより、サンキュー!と叫ぶ番長でした。

頭のてっぺんからつま先まで、完全防寒服+ホッカイロで武装し、いざレセプションへ。空中楼閣のテラスに出ると、とてもいい感じに年を取ったおじいさんが1人、闇を見つめていました。初めて見るホテルのスタッフ、しかもスタッフの中で唯一の老人。たぶん、夜番なのでしょう。

このおじいさんは英語がしゃべれないようでしたが、ひとことだけ、「バルーン?」と。うなずく番長を見て微笑み、居間で待つように身振りで示す。ええ、外は極寒ですものね。

あったかい居間の電気をつけてもらい、パソコンの前に腰を下ろすと、このホテルで飼っているワンコが人懐こそうに寄ってきた。おじいさんは「シッシッ!」と、ソファに戻るよう命令。どうも番長も遊んでくれそうにない、と判断したワンコはソファの定位置でパソコンに向かう番長を見つめます。
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おじいさんと犬と番長、それ以外はまったく動くものの気配のない、静まり返ったホテル。そして闇夜。

やがてワンコも寝てしまいました^^;
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このホテルは2台のパソコンが使い放題なので、それはもう、とても助かりました。メールチェックを済ませ、天気予報の確認をし(天気によってはバルーンが飛ばないこともあるので)、さて、時間が余ってしまったので、よせばいいのに、、、「バルーン」「危険」で検索を始める番長。

ああ~~。出るわ出るわ、危険情報の数々・・・^^;

岩にぶつかった、とか、着地に失敗して胸を強打してそれから数日痛かった、とか、はては、衝撃でパイロットと助手が外に放り出され、全くのシロウトの若い日本人女性が必死に舵取りして着地させた、なんて話まで・・・!!(←この人、素晴らしい。)しかもしかも、そんな大事故にもかかわらず、バルーン会社は謝罪するどころか、バルーン代の返金もしてくれないので交渉しなければならなかった、とか・・・。

この、「バルーン代返金」が、番長がホテル経由の予約にした理由のひとつ。ホテルで予約するとバルーン代は後払いだけど、代理店で予約すると先払いのことが多く、事故でなくとも、例えば悪天候でバルーンが飛ばなかった、という場合でも「明日にならないと返金できない」とか、しぶる会社が多い、と聞いたのです。ちなみにもう1つの理由は、代理店が予約をすっぽかした場合、ホテルがバルーン会社に直接連絡をとったりと、便宜を図ってくれる、ということです。

次から次へと表示される、「バルーン怖い」情報・・・。そんなに詳しく調べるつもりじゃなかったんだけど、バルーン会社の迎えがなかなか来ないもんで、ついつい調べすぎてしまい、真っ青になる番長でした。

「い、い、今からでもキャンセル・・・・」という弱々しいアイデアが頭に浮かび始めたところへ、ちょうどお迎えが。ドナドナの子牛のような目をした番長がマイクロバスに乗り込むと、おお、なんということか、参加者は2人を除いて全員、日本人^^;(計11人)

バスは何も無い場所をひたすら走り、やがてバルーン会社のオフィスへ。ヴォヤージュ・バルーンという聞いたことのない会社ですが・・・も、もう、、、えーっと、もう開き直るしかありませんね!^^

バルーンの準備が整うまでとりあえずここで20分ほど待ちます。あったかい紅茶、コーヒーとビスケットが用意されています。そして、なんとスタッフの1人が日本人女性!ここでちょっとほっとした番長。「日本人」って信頼感ありますねえ。トルコ人男性と結婚してこちらにやってきたそうです。

バルーン待ちの間、なんとなく話をする日本人グループ。中に2人、美人姉妹が・・・!きれいにメークして、きちんとした服装で、物腰も柔らかく、うーん、きっとこれは旅の道中、トルコ人にモテモテに違いない!という感じ^^; 番長も、口紅の1本も持ってくればよかったかなぁ~~となんとなく恥ずかしくなってしまいました(今更だよオイ)

日本人以外のカップルは、常にキスしたり抱きしめあったりと、完璧に2人の世界に入っていたのですが、これまたすごい美男美女!!美しいものに目がない番長、さっそくずうずうしく話しかけます。なるほど、新婚旅行だそうです!ニューヨークから来たとか。女性の方は笑顔が特にきれいで、たくさん幸せを運んできそうな感じ。うん、この人と一緒ならバルーンも落ちないな!!と、勝手に安心する番長でした。(根拠ゼロ)

そこへ、さきほどの日本人スタッフが、「朝焼けがきれいですよ~」と外へ手招き。背を丸めながら極寒の屋外に出ると・・・わぁ~、本当にきれいでした!
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さて、バルーンの準備も整ったので、またマイクロバスでそちらに向かいます。数分で到着。わお~!
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楽しみ、楽しみですっ!!(←さっきの危険情報がきれいさっぱり頭から消えている、お気楽番長)
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1人ずつ、カゴに乗り込みます。オンシーズンの時はぎゅうぎゅうづめだそうですが、今はオフシーズンなので大丈夫。乗り込んで上を見上げると、バーナーと機械が。あ、そういえば危険情報のところで、最初に簡単に操縦方法を聞いておいたおかげで、あとでパイロットが落ちても、自分で操縦できてよかった、というコメントがあったっけ。よし、よく見ておこう。
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バルーンいっぱいに熱い空気が溜まった所で、さあ、ユラ~リと上昇を始めるバルーン。
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今日のパイロットさんはジョーク好きな人で、しょっちゅう面白いことを言って笑わせてくれました。

周りには他社のバルーンがたくさん。これがオンシーズンだともっともっと浮いていて、バルーン同士ぶつかりそうになることもあるそうです。今日は大丈夫でしょう。
それでは、しばしバルーンと奇岩の旅をお楽しみ下さい^^
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1時間の予定でしたが、良い着地点を求めてさまよったため、結局1時間半も堪能することができました。ただ、正直、一番盛り上がったのは最初の30分くらいだった気もします。1時間と1時間半の2コースありますが、1時間で十分かも。

さて、着地。下の方に豆粒に見えていた人影がだんだん大きくなり、やがて作物のない畑の上へ差し掛かりました。番長は10年前にもケニアのサバンナでバルーンに乗ったことがあり、その時の着地がすごい衝撃で大変だったことを覚えているので、ちょっと緊張します。横倒しに着地するので、衝撃を最小にするよう、上を向いて、しっかりカゴをつかんで・・・

「おーいこっちこっち、あ、もうちょっと右!!」

地上のスタッフの掛け声を聞いて外を見ると、、、

あれ・・?!

どうやら、トラックの荷台に着地しようとしているみたいです。ええーーーっ、そんなピンポイント着陸なんてできるのーー!?失敗したらトラックごと炎上!?いやだよー、こわいよーーーっ!!

衝撃に備えて歯を食いしばる番長の周りで湧き上がる歓声。

え、、、

え・・・

ええーーーーーっ!!??

ま、まさかもう着陸したの!!??

「はい。」

なんと、衝撃ゼロで着地してしまいました!最後は、地上のスタッフ4人が、カゴの四隅をつかんでトラックの荷台に乗せ、ひもで縛りつけたのです。どうりで衝撃がないわけです。

「びっくり!」と日本人女性のスタッフに言うと、「ああ、ケニアを経験してこられたお客さんは皆さんそう言いますね。あちらは風が強いんで衝撃も大きいみたいですよ。でも、ここも、荷台に着陸することはめったにないです。今日は風がほとんどなかったんでラッキーでしたね。」とのこと。わー、良かったー!やはりあの運の良さそうな女性のおかげかしら!(笑)

着地点にはシャンパンが用意され、皆で乾杯します。そして、バルーン搭乗証明書の授与。わーいわーい^^

ケニアの時も、草原のど真ん中に着陸すると、どこからともなくシャンパンを載せたジープが到着し、乾杯したのですが、こういう時のシャンパンはなんでこんなにも美味しいのでしょうか。あの時も、周囲には何もなく、いきなりテーブルが置かれ、白いクロスがかけられ、オードブルが並べられ、、、ライオンやゾウやシマウマから程近い所で、夜明けの美しい光を浴びながら飲むシャンパンは、天国で飲む甘露のようでした。

カッパドキアのシャンパンも、またいつかこんなふうに思い出すときが来るのかしら。

さて、ホテルに戻ります。今度は着地点から近いホテルの順に降ろしていくそうで、つまり、番長は一番最後。実はかなり焦りました。だってこのすぐ後、9時出発の別のツアーを予約してるんですよ!その前に朝ごはんだって食べたいじゃないですか!

これが、ホテルでツアーを予約するもう一つの利点。たとえ遅れても、絶対番長を待っていてくれるので安心です。なんたってホテル主催のツアーですから。

ツアー開始15分前にやっとホテル到着。急いで部屋に戻って通常着に着替え、朝食の場所にダッシュ。すごい勢いでビュッフェをかっさらい、口に押し込みます^^;

さっきの日本人スタッフに「ああ、あのホテルですか!私、時々朝食を食べに行くんですよ。犬もかわいいしね!」と言われたとおり、なかなか美味しい朝食でした。

口に詰め込む番長の元に、スタッフがそっと忍び寄り、「あと5分で出発しますよ」と不気味に囁く。ひえ~~~ごめんなさい~~~と、残りを胃に流し込んで外へ。なんとか時間ぎりぎり、間に合いました。

マイクロバスに乗り込むと、そこにはオーストラリア人のむっつり黙り込んだ年配女性2人と、イギリス人の陽気な中年カップル(キャラ逆では?笑)。番長を加えて5名の参加者です。あ、ガイドさんがやってきました。まだ初々しい、可愛いトルコ人女性です。英語ペラペラで快活な感じ。

さ、1日ツアーの始まりです。・・・では、続きはまた次回^^
# by bancho55a | 2010-01-18 08:18 | 09.11 トルコ・ギリシャ

トルコ・ギリシャ旅行~第6日・イスタンブールからカッパドキアへ、その2

11月19日(木)

さて、さっきハクにもらった地図を手に、屋外博物館に向かう番長。(ごめん、「野外」博物館じゃなかった)
屋外博物館というのは、昔の岩窟教会がそのあま保存されているところです。博物館への道は、のどかな一本道。時々車が通り過ぎる他は何の音もしない、左右に奇岩が並ぶ静かな道です。
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牧場まであったりして^^
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こちらはナルニア国物語の「馬と少年」に出てくる、王家の墓をほうふつとさせる岩でした。他に人もいなくて、大きな岩と私だけ。なんだかお話の世界に紛れ込んでしまったような、不思議な気持ちがします。
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なんか、ずっと岩を見ていると擬人化・・・というか、生きてるみたいな気がしてくる・・・
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やがて屋外博物館に到着。広い敷地内に点々と教会が建っています。。。というよりは、点々と存在する岩をくり抜いて教会を造っているのです。ほとんどが「教会」というよりは「礼拝堂」規模の、とても小さなものなのですが。
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内部にはキリスト教時代のフレスコ画が描かれています。12~13世紀のものだとか。
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中でも、「暗闇の教会」と呼ばれるものは、光が入らなかったため、特に保存状態が良く、くっきりした絵がびっしりと描かれています。
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オフシーズンなので観光客もまばらですが、やはりツアーで来ている人が多かったです。説明書きがあるとはいえ、ガイドさんの説明を聞けるのはいいですね・・・。と、番長の前を歩いていたグループの中の1人が立ち止まり、番長に話しかけました。

「○×■。。。?」

ごめん・・・韓国人じゃないんです私^^;

このグループはちょっと異色で、全員ビシッとスーツを着こなした韓国人のおじさん。見るからに偉そうでお金持ちそう、でも紳士的。出張中の自由時間のツアーとかかな?それにしちゃ、ちょっとものものしい空気もあったりして・・・?

次に別の洞窟に入ると、日本人の年配のご夫婦と、トルコ人の日本語ガイドさんのグループがいた。お互いになんとなく会釈。すると奥様が

「日本人の方ですか?良かったら一緒にお話聞きませんか?」

と。だんなさんとガイドさんも快くまぜてくれたので、ラッキーなことにいろいろと説明を聞けてしまいました。最初は「いえ、ガイド代払ってませんし・・・」と遠慮したのですけど、本当にご親切なお2人だったのです。しかも、狭い教会内で、番長がもっとガイドの近くの場所にいけるように、わざわざ自分の居場所を譲ってくれようとする奥様!しかもそれを、本当にさりげなくやってしまうので、気をつけていないと肝心の奥様が番長よりも視覚的にも聴覚的にも悪い位置に行ってしまいそうになる。焦りました。

海外旅行していると、年配の日本人ツアーやご夫婦を見かける機会もあるのですが、この年代の方って素敵だなぁ、と思うことが多い。さりげない所作がとても美しいし、文化や歴史の知識も深く、日本人としてとても誇りに思います。

そのまま一緒に、次の教会、トカル・キリセも見学。これは屋外博物館の外にある、ガイドさんいわく「」ここで一番美しい教会」。フレスコ画の青色がとてもきれいです。
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その入口のところに、大型観光バスが1台止まっていました。それを見て、ガイドさんが「本当はあそこに車は止められないんです。他は皆、このずっと下の駐車場に止めているでしょ?あれはきっとかなり偉い人が来ているんですね。」とのこと。参加者を見ると・・・おお、さっきの韓国の人達だった。いったい誰だったのかしらん?

ご夫婦は、ギョレメ村からちょっと離れた高級ホテルに泊まっているそうで、そこでお別れとなった。その後はハットゥシャシュに行くとか。そこはヒッタイト古王国の首都だったところで、世界遺産なのだ・・・。番長もぜひ行きたかった所なのだが、個人ではとても行きにくく、このご夫婦のようにガイドを雇って行くのが普通。そんなお金はさすがに無いのであった・・・^^;

ということで、来た道をまたてくてくと歩いて帰る番長。なんだか岩が好きになりそう(笑)
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村の中心に戻ると、馬に乗った人が・・・なんとなくトルコの田舎らしい風景だ。(番長の勝手なイメージです)
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考えてみたら、今日は早朝にイスタンブールのホテルを出たので朝食を食べていない。機内で出た子供だましみたいなものを食べただけなので、夕方4時とはいえ、とてもお腹がすいてしまった。もう夕食にしちゃおう。というわけで、地球の歩き方に載っていた「ローカル」という店に行ってみる。ちょっと適当な名前だが・・・^^; ガイドブックによると、新鮮さがウリで、注文を受けてから作り始めるとのこと。いいじゃないですか~^^ と、レストランに入ってみると、、、客は番長1人だけであった。うーん、これはまさに「注文を受けてから作る」状態だな^^;
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メニューを見て、地球の歩き方でお薦めされていた「オスマンル・スペシャル」というのにしようかと思ったら、ウェイターさんと、もう1人男の人が出てきて、いや、これもいいけどこっちがお薦めだ、と別の料理を指す。怪しいな~、単にそっちの材料が大量に余ってるだけじゃない?と、疑り深い番長。少し強引な感じもしたので、ちょっとムキになってしまい、当初の予定通り「オスマンル・スペシャル」とビールを注文する。

ビールを飲んでいると、パンが出てきた。パンを食べるとメインが出る前にお腹一杯になってしまうので、普段は食べないのだけど、このときはあまりにお腹が空いていたのでつまんでみる。

「うぉっ・・・!おいしい~~~!!」

もちもちして、噛みしめるごとに味が広がって、とても美味しかった。
やがてメインが運ばれてきた。見た目的には普通の料理である。一口食べて、
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「う、うーうーうー、うーーーーまあーーーーーいっ!!!」

番長、大感動・・・!!

何が?と言われると困るのだが、とにかくうまいのだ。味のバランスもちょうど良い。きっと、あまりの空腹で何を食べても美味しく感じるんだろう、と思ったが、最後の一口までその美味しさは変わらなかった。途中で、さっきのウェイターじゃない男の人=シェフ?が出てきて、「どうだ?」と聞くので「すんごい美味しい!」と、思わずOKサインを出してしまった。(注:海外ではむやみにOKサインを出してはいけません。)

そして地球の歩き方に「自家製の自慢のケーキ」と書いてあったのを思い出し、デザートのバクラワまで注文してしまう。こちらは特にすごく美味しい!というわけでもなかったが、使ってある蜂蜜が、他の店のものより数段美味しかった気がする。
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レストランはとうとう最後まで番長1人の貸し切り状態だったので、ヒマなのか、シェフもまた出てきた。なので、写真を撮らせてもらいました。最初はマッチョに腕組みしたポーズをしていたのに、ちょっと恥ずかしかったのか、シャッターを押す瞬間に手を下ろしてしまったのが残念(笑)。
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「明日も来い!スペシャルなもん食わせてやる。」

というシェフのニコニコ顔に見送られ、ほろ酔い機嫌でローカルを後にする番長。外に出ると、ちょうど夕暮れの時間だった。とても美しい。夕闇に浮かび上がる岩のシルエットはやけに人間くさい^^
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絨毯屋の上にニョキッと突き出た岩も、何ともユーモラス。
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街灯が少ないせいか、ホテルまでの道はかなり暗く、人も少ない。でも、危険な感じは全く無い。ガイドブックによると、ギョレメは「観光客が増えるにつれ、素朴な村の雰囲気は失われつつある」そうだが、どうしてどうして、とっても安心できるいい村だ。
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さ、ホテルに戻ってきたぞと。こちらが入口です。
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この、ハマムのある居間の左奥の扉を開けて右に入ったところが番長部屋です。
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ここだよん♪
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部屋の中はすっかり夜。窓の外の景色も闇に取り込まれつつあります。
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さて。

まだ時間早いんだよね^^;

明日はバルーンツアーなので早起きしないといけないんだけど、それでもまだ寝るには早い。きっと明日は忙しいから、今日のうちにハマム体験しちゃおうかな?

ハマムというのは蒸し風呂式の共同浴場です。地方に行けば500年~600年前のハマムも残っているそうですが、そのヒマはないので、ホテルのハマムで気分だけ味わおうと思ったわけです。

蒸し風呂とアカスリがセットになっているのですが、それでもある程度のお金は取られてしまうので、どうせなら奮発して、マッサージとパックもたのむことに。日本に比べれば安いお値段だったので。しかも、他にお客さんがおらず、ハマムまるごと番長貸し切り!わーいわーい!

ホテルのハマムは観光客向けなので、きれいだし、タオルとかふんだんにあるし、勝手が分からない事もないし、おまけに番長の部屋はハマムから徒歩5秒なので快適なことこの上ないのですが、一つ問題が。アカスリと体を洗ってくれる人が、男性なのです。まあでも、イギリス生活が長い番長は羞恥心ゼロなので大丈夫。だってイギリスのマッサージは、上半身裸ですから・・・(うつぶせだから前が見えないとはいえ^^;)

それでも、トルコ人の濃いオッサンが出てきたらやだな~と思ったのですが、迎えてくれたのは、草食男子の王座につけそうな、清潔感溢れる爽やかなお醤油顔の若者。えっ、日本人!?思わず日本語で話しかけそうになるほど、完璧な東アジア顔でした。どこの国の人かはあとで明らかになりましたが。

ハマムの入り方は、まず、個室で着替えます。というか、裸になって布を巻きつける。そして、蒸気の立ち込めている浴室に入ります。といっても、浴槽はありません。中央に大きなテーブル状の石があり、ここでアカスリをお願いするのです。

寝転んで待つと、さっきの若者が来て、まずはアカスリ。専用の布で、胸部と臀部以外、全身のアカをすってくれます。おでこまで(笑)。ちょっと痛いですが、きっとこれで玉のお肌になるのであろう。

その後、石鹸で全身と髪を洗ってくれます。どこかにシャボン発生器?があるのか、大量の泡を全身にかぶせてくれるのですが、なんだか雲の中に浮いてるみたいで面白い。そして盛大にお湯をぶっかけて(もう少し丁寧に扱ってもらえないでしょうか・・・)、おしまいです。

終ると、2枚のタオルで髪と体をぐるぐる巻きに。お姫様気分です。というか、ミイラ気分というか・・・^^; そして休憩部屋で5分ほど休憩。

それからマッサージ部屋へ。マッサージの担当者は女性。そのせいかだいぶ弱めで、凝ってる所を揉みほぐす・・・というわけにはいかず、番長はちょっと物足りない気もしましたが、それでも気持ちよくてウトウトしかけました。

次にまた休憩部屋に戻り、さっきの若者が、顔に泥?パックを塗ってくれます。ホントに効くのかな~と思いつつ、またまどろみかけ、10分後に終了。チップを渡し(というか備え付けのチップ箱に入れ)、部屋に戻ります。全部で2時間弱かな。

帰る前に、若者に「どこの人なの?」と聞くと、「キルギスタン」という返事が。なるほど、納得!キルギスとかカザフスタンの辺りって、「えっ、あなた絶対に日本人でしょ!?」と言いたくなる人がわりといるんだよね。

部屋に戻ってみると、お肌、とくにパックしてもらった顔が、つるつるになっている!!こんな感触、ここ10年くらいなかったわ~、ということは10歳若返ったってこと?たとえ今日だけだとしてもすっごく嬉しい!

満足感にひたりつつ部屋の窓を開けると、外はすっかり夜の景色。闇の中に浮かび上がった奇岩のシルエット、点々と灯る人家の明かり。村全体が暗いので、夜空にはたくさんの星がきらめいています。その美しさに、思わずいつまでも見とれてしまいました。ただ、なぜか、すごく煙いんですよね・・・。何でかな?焼却場が近くにある?とか不思議でした。その謎は、次の町、サフランボルで何となく解けたのですが。
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窓を閉め、電灯を消してベッドに寝ると、外からの明かりがかすかに窓から漏れてくる。その薄明かりで洞窟の石の壁や木の天井をぼんやり眺めていると、なぜか、妙に懐かしい気がしてきました。まるで昔からここにいたような・・・いや違うな、なんだか、いつまでも続く夏休みの、すがすがしい自由さみたいな、、、それを感じさせるから懐かしい気分になったのかな?

静まり返る闇、星明り、煙の匂い。これがギョレメ村の夜です。
# by bancho55a | 2010-01-03 09:51 | 09.11 トルコ・ギリシャ