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番長が旅した37ヵ国の旅行記など。ほとんど一人旅。3年半のイギリス滞在を終え、2010年2月に日本に帰ってきました。


by bancho55a

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エディンバラ旅行・1日目

イースター休みの4日間を利用して、エディンバラに旅行に行ってきました。
イギリスは、イングランド、ウェールズ、スコットランド、アイルランドの4つの連合王国なのですが、エディンバラは、そのうち北部スコットランド王国の、県庁所在地です(違う)。

イギリスに住む前に、既に7回も旅行で来ている番長だが(どんだけ英国中毒・・・)、実はイングランドの外に出たことが無かった。初めての越境旅行にちょっとワクワクです。

この旅行、そもそも、英語学校の時の受付仲間、パトリシアが友達と行くプランを立てて、今の受付仲間のKちゃんに、番長と2人で参加しないかと話を持ちかけたもの。私もちょうど、「イースターどうしようかなぁ・・・4連休なんて珍しいから、ぜひどっか行きたいなぁ・・・」と思ってたとこだったので、二つ返事で参加することに。

「パトリシア達は往復とも夜行バスで行くって言うんだけど・・・」

あ、あ、あたくしのトシで、さすがにそれは、無理でございます。
バスは所用9時間半で1万円ちょっと。電車だと所用5時間で2万円ちょっとと高い。でも、前夜に出発となると、おでんパーティーにも出られなくなるので、結局電車にしました。Kちゃんも無理に合わせさせてしまったようで、ちょっと恐縮・・・。

ということで、まずはいつもの自宅最寄り駅とは違う、もう一つの最寄り駅、ストレッタム駅からロンドンのキングス・クロス駅へ。・・・と順調に進むはずは無く、いきなり電車、遅延の末にキャンセル。

「ま、ま、これがイギリスの鉄道ってもんよ。」

次の直通電車は30分後なので、仕方なく、迂回ルートでキングス・クロス駅へ。ここはハリー・ポッターでお馴染み、『9と3/4番線』があるところです。Kちゃんは初めてだというので、案内する。

そろそろ、エディンバラ行き電車の発車時刻かしら・・・と優雅にホームに向う私たちの行く手が、突然さえぎられた。

「満席ですので次の電車に乗って下さい」

なんと・・・!!

そう、わたくし、イースター休暇というものを甘く見ておりました。こりゃこりゃ、オッソロシイ民族大移動なんですな。

次の電車は30分後に出るけど、そっちも満席の可能性がかなり高い。だったら、今、取りあえずこれに乗っちゃおう!と、Kちゃんと2人で制止を振り切り、先頭車両に向けて歩き出す。

実は2人とも、まだ高をくくっていて、「そんなこと言いつつ、2人分の空席くらい空いてるだろ」と根拠の無い確信を持っていたのだ。

ところが・・・!!

どの車両も、超・満員。しかも全席、「予約席」の札がついている。

「や、やべぇ・・・」

でももう、こうなったらホントにしょうがないので、もう乗っちゃうことにした。

先頭車両も既に超満員。乗降口や連結部分、通路にまで人が詰まっているのは、お盆の特急列車並みだ。床に座る事もできないほど混雑しているので、仕方なく、座席横の通路の空間へと移動していく。中の方に入れば、少しは床に座る空間もできるかもしれない。

先に進むKちゃんが、車両のど真ん中で止まった。

「ここ予約席だけど、取りあえず空いてるし、重いから、荷物置いちゃおうかな・・・」

と言うKちゃんの横を見ると、「予約席」の札がついた座席が2つだけ、奇跡のように空いている。その時、番長の脳裏に、以前読んだ、林望氏のイギリス本の一節が浮かんできた。

「Kちゃん、そこ、座っちゃって!いいから、大丈夫!」

『指定券無しにこの座席に座った場合は罰金○○ポンド』

と「予約席」札に書かれた、高額の罰金の可能性に怯えるKちゃんだったが、番長の必死の形相の方がもっと怖かったらしい。取りあえず、席、ゲット。

以前、「イギリスは愉快だ」(だったかな?)の本を読んだ時、イギリス人自身が、予約席の札を無視して座り、結局、最後まで検札が来なかった、という一節があったのだ。

そうは言いつつも、前の席のイギリス人カップルはいかにも不審そうに私達をジロジロ見ている。やっぱ、ヤバいんかいな。

「すまんが、そこの席、予約してるんだが・・・君、指定席券持ってるのかね?」

向こうから来た、荷物を抱えたおじさんに、眉をしかめて話しかけられた。や、やべぇ・・・

と思ったら、おじさんが話しかけているのは私たちの横の席の人。ふ、ふぅ、助かった・・・

助かったと言いつつも、やはり、予約席札は本物らしい。さあ、我々の席(だから、オマエの席じゃない)の所有者は存在するのか?それとも・・・?

まあ心配しても仕方ないので、取りあえず運を天に任せてくつろぐ事にした。

結果から先に言えば、この後、エディンバラ駅までの5時間、とうとう「予約の人」は現れませんでした。イギリスの鉄道システム、なかなか謎であります。ああでも5時間、立ちっぱなしじゃなくて良かった。

バスは全席予約制なので、バスにしとけば苦労も無かったのに・・・と思うが、後の祭り。それでも、バスにしなくて良かった事が一つあり、この5時間の旅、イギリスの主要都市を結んで走るわけで、プチ観光(車窓から)にもなりました。

ヨーク、ダーラム、ニュー・カッスル・アポン・タイン。ダーラムと言えば「大聖堂」と誰もが口を揃える、有名な大聖堂とお城も見られたし。しかし、ニューカッスルってどこが、何がいいわけ?と「地球の歩き方」を見るも、

『この街最大の見所は、川に架かった6本の橋』

ハッハー笑わせんな、毎日通勤で汚いテムズ川にかかるコンクリートの橋をいくつも見てるさ、と失笑しかけた番長の目に・・・

「う、う、美しい・・・!」

電車が横切る間の5秒くらいしか見られなかったけど、この個性的な橋たちの眺めは、確かに一見の価値がありました。

「いいなぁ、ロンドンとは違う街がたくさんあるんだね、来て良かったよ、この旅行・・・」

Kちゃんは目を輝かせておりますが、あ、あの、今回の目的地にまだ着いておりませんが・・・

「もうこのままロンドンに帰ってもいい」

・・・あまりにも時期尚早です。

そうこうするうち、やっとエディンバラ着。Kちゃんと、すぐさま『みどりの窓口(違う)』に向かい、今回の教訓を生かして、帰りの電車の座席を予約しようとする。それにしても・・・駅のスタッフの感じの良いこと!Kちゃんと歩いていると、何も尋ねないうちに、向こうから来た駅員さんが

「レディ達、何かお探しですかな?」

ニコニコと聞いてきてくれる。駅窓口の係員も、微笑を絶やさず仕事をし、口調もとても物柔らかでフレンドリーだ。ロンドンの窓口といえば、常に無愛想に

「次!」

とにらみ付けたり、私が1週間定期と1ヶ月定期の値段を聞いただけで、

「アンタいったい何がしたいんだ!?」

と言われる有様。でもここは・・・

「ここの人達はマシーンじゃない、ヒューマンだよ・・・!」

はい、Kちゃんの描写力はいつもながら冴え渡っております。

しかしながら、座席については、帰りの日の電車はすべて、全席予約済みとのこと。あと数十ポンド払えば、一等席の予約が出来るらしいが、ビンボーな私たちに、それは不可能。断念しました。

お腹も空いたので、向かいのパブでご飯をすることに。

さて、スコットランドと言えば、スコットランド訛り。・・・聞き取りにくいので有名ですね。リスニングの弱い番長は、Kちゃん頼みだったのだが、そのKちゃん、トイレから戻ってきて

「参ったわ~、ドアが開かなくて苦労してたら、カウンターのおっさんが親切に教えてくれるんだけど、さっぱり分からないの!2回聞き返したら、『プゥ~ッシュ!』って、ご丁寧に手で押すジェスチャーで教えてくれたよ。」

Kちゃんでも分からないとは・・・前途多難ですな。

「でもいい人達だよね~スコットランド人って。・・・来て良かったよ~、って、まだ駅構内を出てもいないんだけど・・・」

ええ、まずは実際のエディンバラを観に行きましょう。ということで、パトリシアが予約したホテルに向かう。

K「宿泊費は96ポンドだってさ。」

ええっ、2万円以上!?うーん、まあ、イギリス物価高いから仕方ないか・・・。

「あ、2人で、3泊分でね。1人1泊16ポンド(3500円)。」

・・・だ・・・だいじょぶなんすか!?どうやらホテルも満室で、ここしか空いてなかったらしい。

行った先は、何と教会を改装して造られたホステル。い、いいんすか、そんなもん造っちゃって。神様のバチ、あたりませんか!?
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高い天井に荘厳なステンドグラスが彩りを添えているのは見事だけど、穴が開いた壁や、天井代わりに貼ったビニールシートが破れて、お世辞にも快適とはいえない。ま、ま、この値段では文句は言えないか。しかし、このトシでホステルに泊まる事になるとは思わなかったよ・・・!

とりあえず、街に観光に繰り出すことにした。それにしても、エディンバラって、ロンドンと違って建物がとても素敵、黒く煤けたような色さえ、歴史を感じさせて重みがある。スタバだって、外に出てる表示はたったこれだけ。
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Kちゃん「あたし、この街好きだわー!素晴らしい!住みたい!」

街に流れる雰囲気も落ち着いてしっとりとして、ロンドンの殺伐とした世界とは全く違う。ああ、本当に違う街に来たんだなぁ、そしてここはイングランドとは違う、別の王国なんだなぁ・・・としみじみと感じました。ちなみにスコットランドは、使用通貨も、同じポンドとはいえ、他の地域とは別のデザインの「スコットランド札」なのであります。

到着時間が遅かったので、観光地は軒並みクローズ時間。ということで、スコッチウィスキー・ヘリテージセンターに行きました。しかし、行く途中に大雪が降り出す。この冬、この時までロンドンでは雪が降らなかったので、3月終わりのの初雪、旅情は盛り上がるが、さ、さ、寒かった・・・!
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ウィスキー・センターは、ウィスキーの歴史を学びつつ、試飲もできるという場所ですが、Kちゃんも私もいまいち満足できず。特に番長は酔っ払った上に、説明中にガーガー寝込むという大トラ状態で、日本の恥をさらしとりました。えへ。

ウィスキー・センターを出たところで、パブで飲みまくっているパトリシアに電話し、いよいよ4人合流。パトリシアの友達のドゥーダは、英語がほとんどしゃべれないブラジル人だけど、とっても良い人でした。

飲んで踊っている私達に、一人で飲んでいた男が話しかけてくる。音楽好きな人らしい。私は一番遠い位置にいたので、直接しゃべる事は無かったんだけど、後からKちゃんが、

「アイツ、私たちの写真バチバチ撮ってたじゃん?あれ、最後に見たら、全部番長さんだけのアップだったんだよ!」

ぎぇぇーーーー気持ち悪いーーー!!

「でも、自分はゲイだって言ってたから大丈夫、きっと芸術的な意味での写真だよ」

その慰めはあまりにも苦しい。

ちなみに、エディンバラのパブ、こんな感じです。ビールだけじゃなく、ウィスキーが充実してるのが、いかにも!
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夜が更けたエディンバラは更に素敵、物語の世界に迷い込んでしまったようです。
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街はしっとりと落ち着いて、人々は優しく、なんか・・・パラダイスのような・・・

「でもさー、黒人がいないよね。」

Kちゃんの言葉で我に返った。そういえば、こっちに来てから数時間たつけど、1人も見ていない。黄人はちらほら見かけるけど、あとはほぼ全員、白人なのだ。

考えてみると、ロンドンは人種の坩堝というくらい、黒人、黄人、いろいろな人種で溢れている。もしかしたら白人達の中には、白人がほとんどだと言う事実が、エディンバラの雰囲気を良くしている理由だと思う人もいるかもしれない。ロンドンに住んでいてしょっちゅう聞くのは、「あそこは黒人タウンだから危険だ」「白人(しかも中産階級以上の)タウンだから高級だ」みたいな話だから。

旅行する分には素敵な街だけど、住んでみたら、意外に排除感覚を味わうことになるかも・・・?などと勝手に想像してしまった1日目でした。
by bancho55a | 2008-03-21 00:00 | 07.9- イギリス生活 UK