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番長が旅した37ヵ国の旅行記など。ほとんど一人旅。3年半のイギリス滞在を終え、2010年2月に日本に帰ってきました。


by bancho55a

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泣くな番長!

先日の地下鉄フリーペーパーに載っていた記事です。(ちょっと忘れかけてるけど)

「プライマークの求人、420の職に1万4千人が応募!」

プライマークというのは、こっちで有名な超大安売り洋服店。品質も趣味も悪いけど、とにかく安い。思わず番長も買っちゃいます。特にタイツとかの消耗品。(で、洗濯機と乾燥機に入れてる。やめなさい。)

2年前に買った面接用ジャケット5ポンド(800円)も活用してます。これも洗濯機で(やめなさい)。

千円以下で買える洋服満載の、日本で言えば・・・「しまむら」(だっけ?)って感じ?「ロンドンは物価が高いわりに洋服が安い」とよく言われますが、H&Mとプライマークの貢献度がかなり高いと思われます。

で、その「安かろう悪かろう」的洋品店が、ブリストルという地方都市に支店をオープンすることになり、その募集に、この殺到・・・。1つの仕事につき、30倍以上の倍率ですよ!しかもその時給ときたら、販売員で5.93ポンド、つまり950円・・・と聞くと高いように思われるかもしれませんが、イギリスの最低賃金5.73ポンドですからね。東京の最低賃金は766円?だとすると、東京でいえば時給792円の販売員職に競争率30倍、ってとこです。

もちろん、かなりの応募者がoverqualified、つまり学歴等が応募資格よりずっと上だそうですが、「それでもいいから仕事をくれ~!」と言ってるそうです。本当に驚きですが、これが失業率7.2%、失業者226万人のイギリスの現状です。(ちなみに番長みたいな人は、この失業率に入ってないんだろうなぁ・・・。だから実感としてはもっと高率だよな。)

そんなわけで、仕事が決まらないのは番長だけではない。番長が知ってるだけでも、ロンドン大学の博士終えた人とか、修士終えて仕事探したけど無く、貯金も底をついたので、とうとう来月日本に帰る、という人など、番長と同じビザでいまだに仕事探ししてる人はたくさんいます。

仲間が多いと何となく安心。それは事実なのですが、社会情勢がそうだからといって、個人レベルでの不安が消えるわけではない。

(以下は番長の個人的な内容になりますので、興味ない方は飛ばしてください。)

家族が心配するかと思って、ブログにはハッキリ書いてなかったのですが、実は番長もかなり悩んでました。

一日の間でも、お日様が出てる時間はいいんですよ。でも夜になると何となく気が重くなってくる。たいていの場合はテレビとか見て誤魔化してるんですが、夜中にどうしても眠れなくなって、ウイスキーあおりながらダーダー朝まで泣き続ける、とかいう日が、2週間に1度くらいありました。(今の時期、日の出が4時台ですぐ朝になっちゃうのよ^^;)ちなみになぜウイスキーか?だってイギリス本場じゃん♪ ←そんなとここだわらなくてよろしい

挙句、飲みすぎで頭痛と吐き気、翌日午後まで持ち越して、「あ~今日一日また何もしなかった・・・」と自己嫌悪、という悪循環。だいたい、「家では飲まない」主義の番長が「家で深酒」、って、、、かっこわる。ちなみになぜ飲まないか?ケチだからです♪ というか、1人だと全く飲む気がしないんですよ。ふだんはね。

この堕落した行状は、仕事が決まらないのが直接の引き金ではありますが、他にも老後の心配とか、健康不安とか、アレやコレや、あらゆるものが全部頭の中にリストアップされてきて、「もうやだー!」状態でした。この年でかなり幼稚なんですが。

5年ほど前に「飲んでワーワー泣くとすっきりするんだ」ということを発見してからは、ちょっと気が重くなると、わざとヨッパラって号泣して治してたのですが、今回ばかりは、なぜか、どんなに泣いてもすっきりしない。仕方ないので、むりやり楽観的に、楽観的に気持ちをコントロールして、「よ~し明日からまた頑張ろう~!」と、何となく生まれ変わった気持ちになったりするのですが、それが3日ともたない。そんな自分が歯がゆくてまた落ち込む、という、ま、ひとことで言えば甘えてるんですが、かなり腹立たしい状態でした。いつになったらこの悪循環から抜け出られるのか、トンネルの先が全く見えず、嫌な気分が続いてました。

今日は、夜に派遣会社のセミナーに行く予定だったので、ちょっと早めに街に出て、セールでも見てから行こうかな~、と思いつつ家でぼんやりしていると、Zさんから「これからお茶しませんか?」と携帯メールが。そうそう、今週あたりお茶しようかとは言ってたんだけど、いきなり今日!?

どうしようかな~と思ったけど、まあどうせ街中に出かけるんなら他に用事をくっつけた方が効率的だな、と思い、安いバスで出かけることにした。

会うのは2回目だけど、前回は数人で会ったので、ほとんど話をしていない。話が合うかな?とちょっと心配だったけど、まあロンドンに住んでる限り、話題はいくらでもある。サービスの悪さの愚痴とか、どこのレストランが美味しいとか。

Zさんが知ってる「感じの良い」というカフェに行く。簡素な造りだけど、外の光がたっぷり入って、ひとりでも何時間でも過ごせそうな、心地良いカフェだった。前回おごってもらったので、今回は私がごちそう。(といっても2ポンドとか^^;)

予想通り、他愛ない話をする。天気が良いとか、こないだどこそこに行ってきたとか。

「番長さんは今、何してるんですか?」

「今ですか?相変わらず無職ですよ~、就活厳しいっすよ~、なぁんて言いつつ、実はヒマな時間を楽しんでるんですけどね~♪」

半分本当、半分ごまかしのセリフ。あまり親しくない人に深刻ぶってもしょうがないので、たいていの人にはそう言っている。

「そうですか?でもどうせなら、のんびりした方がいいですよね。」

Zさんも穏やかに、ソツのない言葉を返す。

・・・その後、何がきっかけか忘れてしまったが、様相が一変してしまった。

「そんなことないんです、苦しいんです。仕事やお金が無いのはもちろんつらいけど、それだけじゃなくて、『理想の自分』がすごく遠い。その『理想』も、自分が本当になりたいものというより、他人から見た『あるべき姿』でしかないのに、そこに自分を追い込んで、自分で自分を追い詰めてしまって、本当に苦しいんです・・・!」

Zさんも驚いただろうけど、自分でもかなりびっくりした。泣き出す一歩手前でべらべらしゃべりまくる自分を感じながら、「あれ、どうしちゃったんだろう私、全然親しくない人にいきなり何を言ってるんだろう?」と、唖然・・・。

しかしZさんは、表面には全く驚きを出さず、まるで今日、こういう方向に話が進むと台本に書かれていたみたいに、普通にうなずきながら話を聞き、自分の似たような過去の経験から、なるほどなぁ・・・と思える言葉をどんどん出してきた。そんな考え方があるなんて!?という意外なアドバイスでも、よく考えるとすべて腑に落ちる。そんなに深く物事を考えている人だと思っていなかったので、またびっくり。思わず変なことを言ってしまった。

「あの~、お若いのにずいぶん老成した考えをお持ちですね」

そうなんだよ、Zさん、私よりかなり若いじゃん。いや、ここは年上の威厳を見せねば、と思うのだけど、気持ちと裏腹に、口から出る言葉は「自分への不安」「自分が抱いているコンプレックス」うんぬん、かんぬん、親しい友達にもなかなか話さないようなことばかり。おまけに、自分が口を開いたり、Zさんが何かしゃべるたびに涙がこぼれそうになる。ど、どうした~~!?いきなりスギ花粉来襲か!?日本の居酒屋ならワンワン泣いてもご愛嬌かもしれないが(そういうトシではないが・・・)、さすがに午後のカフェには似合わないので、とにかく泣かないようにと必死。そんな番長にZさんが言う。

「人生のスピードは人それぞれですから。まだ若造だとは思いますが、60、70歳みたいなことも言います。僕は今まで、上から下までいろいろなことを経験してきたので。」

号泣寸前の番長の、メチャクチャな思考回路にふとひらめいた教訓(?)が。

<人を見たらドロボウと思え>
<理由なく近づいてくる人を見たら宗教かマルチと思え>

宗教の勧誘は、東京の繁華街以外で遭ったことはないが、マルチの勧誘は日本の知人から何度かある。これがまた、明るくて前向きな人に限ってマルチだったりするから始末が悪い。例え本当に儲かるとしても、ケチな番長が元手を出すわけないじゃないかい。(←そういう用心深い人に限って、コロッと引っかかったりするんだけどね。)

(この人・・・そうそう、こういうポジティブで、いいこと言う人って、マルチ率高いんだよな~。。。)

「この印鑑を・・・」「今ならツボが100万円」なんて言葉が出たらすぐさま席を立つぞ!と気を引き締めるものの、意に反してなぜかまたもや深い悩みを話し出してしまう番長。おいお~い!

番「いや~いいこと言いますねえ~ヒック、グスン(泣いてないけどそんな心境)」
Z「いや、たまたまですよ、僕が言ってるっていうより、神様とかが言わせてるんじゃないですかね」

(すわっ!やっぱ宗教だ!)

と思ったが、とりあえずその場では、印鑑もツボも出てこなかった。

番「グスン、私にそんなアドバイスしてもらっても何の利益にもならない、一文の得にもならないのに、いろいろ言って下さって・・・」(←まだマルチの可能性を捨てきれない。)
Z「あの、番長さん、利益とかじゃないんで・・・」

それでもまだしつこく宗教&マルチ疑惑は消えないが、1時間半ほど話し終えた後、ふと気づくと、あれだけウイスキーと号泣の助けを借りてもまったく拭えなかった重い気分が、一粒の涙もこぼさないうちに、すっかり雲散霧消していた。

またもや、びっくりした。

いつも、暗い気持ちからムリヤリ明るい気持ちに切り替えた時の、「ああ~気が楽になった、前向きになった(・・・はず・・・何かまだちょっと隅のほうにあるような気がするけど・・・)いや違う、きっとない、もう今回こそ悩みはすべて消えた!(・・・はず・・・)」というグレーな気持ちではなく、

「なんかすごいぞ~、晴れ渡ってる!スッキリ!!・・・あっそうか、でも今までのパターンだと、また暗くなるかもしれないんだ。・・・ん~っと、どうかな?・・・いや、大丈夫だなぁ、エヘヘ」

という、「能天気」を絵に描いたような気持ちになっていた。なんだか自然に背筋が伸びて、笑みがこぼれてくる。今まで「自然に笑みがこぼれていた自分」をどうしても思い出せなかったのと同じくらい、「自然な笑みが出なかったさっきまでの自分」が、どんな状態だったのか、よく思い出せない。

ま、そうは言っても、就職できたわけじゃないし、宝くじに当たったわけじゃないし、仕事とお金の問題は全然解決していません。状況は1ミリたりとも変わっていません。でも、気持ちのもちようで、こんなに違うんだ!と、改めて当たり前のことにびっくりしました(相当鈍いです)。

・・・で、宗教かな、マルチかな・・・^^;
ま、ここはZさんの言葉を信じて、神様だったことにしときましょう。キリスト教でいえば、「聖霊の働き」ですかね!(←結局、番長が一番宗教っぽい・・・)
by bancho55a | 2009-06-23 00:00 | 07.9- イギリス生活 UK