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番長が旅した37ヵ国の旅行記など。ほとんど一人旅。3年半のイギリス滞在を終え、2010年2月に日本に帰ってきました。


by bancho55a

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07.9- イギリス生活 UK
10.1-2 モロッコ・エジプト
09.12 ハンガリー
09.11 トルコ・ギリシャ
09.3 ダブリン
08.12 プラハ
08.11 クロアチア
08.10 リヨン
08.08 チューリッヒ
08.6 アムステルダム
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ジャンキーとランチとウィグモア・ホール

さあ今日から4月1日。気分も新たに・・・と会社へ向かう番長。うんうん、電車も遅滞無く運行。じゃぁ季節柄、車内で春眠といこうかな、ウトウト・・・

「ガラガラッ、ドターン!」「ちょっと聞いて下せーみんな!」

いきなり物音と大声で起こされた。

あ・・・。金をせびる人だ。

「ワタクシはぁ、食べるものがねーんです、そしてー、体調も悪くてですなーお金がなくてさー」

丁寧語でしゃべろうとしつつも失礼な言い方になっている上に、態度がこれ以上ないほど尊大。
実はロンドンの鉄道は、こういう人がよく乗り込んでくるのです。主要駅以外は改札もないので、誰でも駅舎やホームに入り放題、電車にも乗り放題(もちろんいけないんだけど、検札も滅多に来ないので・・・この半年で1度しか検札に会った事ない、ていうか、会った私の方が珍しい。定期を買うのがバカらしくなるよ)。だから、こういうホームレスの人が乗り込んで、一席ぶった上で、「金ください」「金ください」と乗客の間を回るのはよくあることなのです。

私はこのタイプの人がだいっ嫌い。本当に仕事も無く、食べるものも無くて困ってるならともかく、大抵は仕事したくない怠け者で、クスリ買うお金が欲しいだけで、あまつさえ政府から援助まで受けてたりするのだ(その税金は私が働いた金だぁー!←・・・って、ほとんど稼いでないんですけど、えへ。)

お金あげてる人も滅多に見たことないけど、この「演説」が続いてるってことは、少しは儲かる(?)んだろう。とにかく、聞いているのも時間の無駄なので(それにリスニング弱いし^^;)、また目をつぶり、寝る事にした。

「ドスン!」

いきなり物凄い勢いで、すぐ目の前のテーブルに彼のカバンが置かれた。私の席の方に張り出して、もう少し場所がずれていたら、この巨大カバンの一撃を受けていたことだろう。

最初は、「このアジア女、オレ様が演説してるのに寝やがって・・・!」みたいな嫌がらせかと思ったけど、その後、私の横の席の、イギリス人の女の子2人組の方にバランスを崩して倒れ掛かり、彼女の靴を踏んづけてる所を見ると、単にクスリのやり過ぎでフラフラしているらしい。チラッと顔を見ると、瞳孔が開いて、完璧に「イッちゃってる」表情だ。あーもう、ホントにイヤ!クスリ買う金で食べ物買えっつーの!

・・・と、半年前まで失業中だった自分の過去を棚に上げて毒づく番長だった。

お金せびる人の中でも、たまには面白いヤツがいて、ドラムセットとハーモニカを車内に持ち込んだ2人組が、「この電車は~○○に向かってる~、次は~、ストレッタム・コモン、ストレッタムゥ~、コ、モ、~ン!」なんて、なかなか良いメロディーをつけて歌ったりする事もある(これがまた、クロウトはだしで良いのだ)。歌も演奏もうまいし、歌詞もウィットに富んでいるので、1曲終わると乗客から大きな拍手がわき起こる。「有難う!それでは次に、『ワンズワース・コモンの駅の水道を使わせてくれ』の歌です。僕らは~、金が無い~、だからワンズワース・コモン駅の洗面所で顔を洗ってる~、でもこないだ、鉄道会社が使用禁止にしちゃった~、お願い、顔を洗わせて~、お願い~♪」

こんな人の時は、あちこちでチャリンチャリンと陽気な小銭の音が響く。手作りCDまで売ってる彼らは、金がないというよりはバスキングのつもりなのだろう。これも違法だけど、乗客の満足度はかなり違います。私もこれなら大歓迎。

ま、ま、そんなこんなのうちに、会社に到着。まずは社食でランチを(それより仕事しろ!)

いつもランチは一人でとる。うちのチームは3人しかいない上に、集中するタイプの仕事内容なので、キリの良いところまで片付けてからランチしたくなる、ということで、ばらばらに出ているのだ。社内に他に友達もいないし。大抵、30-40分前に会社について、20分ほど1人ランチして、さあ仕事開始、というパターンだ。

今日も一人で食べようとしたら、ウィリアムを見つけた。前にブログにも書いたけど、同じフロアの、歩いて10歩の場所にいるイギリス人で、入社最初の週にエレベーターで同乗し、話をしてから、会うと挨拶や世間話をしている。実は昨日も、先日のイスラエル出張の話を聞いたばかり。

「良かったら一緒に食べよう」みたいなことを、身振りで言われたので(イギリス人のシャイな人は、日本人のごとく、身振りや表情で意思を伝えます)、そっちのテーブルに行くと、これまた、いつも挨拶してくれる女性がいた。

私達日本チームは、この会社の中でも他とつながりがないので、透明な、空気のような存在なんだけど(学生時代もこれを味わったけど、この会社のそれは、ちょっと違って、嫌な感じはまるでないです)、この女性だけは、自分が帰る前に「バーイ、レディース!」と、私達3人に挨拶してくれるのだ。どこの誰かは知らないが、親切な・・・と思ってたら、ウィリアムのチームの同僚らしい。

ということで、ウィリアムと、この女性イヴリンと3人で、日本人以外では初めて、誰かと一緒のランチ。『おひとりさま』に慣れてる番長でも、やはりちょっと嬉しい。イヴリンは40代くらい?の落ち着いた女性で、お子さん2人の母でもある。そのため、7:30-16:30というイレギュラーな勤務時間にしているらしい。

ウィリアムも35歳と、わりと年が行ってるので、2人が話すと、何だかどこぞの貴族の邸宅の居間で、午後の紅茶でも飲みながら話してるような、静かでけだるい雰囲気が漂う。今日初めて、

「な、なんか・・・恥ずかしい、私の話し声、大きい。私の笑い声、下品・・・」

とか思ってしまった。英語学校の受付にいた時は、これでも標準のボリュームと笑い方だったと思うんだけど。でも自分の「大声」と「下品な笑い声(『アッハッハッハ!』ってやつです)」は、実はキライじゃないし、番長の個性だとも思うので、直すつもりはない。ま、この会社ではちょっとトーンダウンした方が良いですかね、オホホ。

「小学校は、今は春休みなんだっけ?イースター休みの前後は・・・」
「ええ、春にはいろいろ用意するものがあって大変だわ・・・」

なんか、こんなフツーの会話、日本を離れて以来、聞いたことが無い気がする。自分はこの1年半、意外と特殊な環境で生きてきたんだなぁ・・・、イギリス人のことを分かったつもりでも、全然生活範囲にまでは入り込んでいなかったんだなぁ・・・などと思ってしまった。

仕事も終わり、さて、今日はクラシックのコンサートに行くのです。以前働いていた日系会社の方々からお誘いを受けました!もう社員ではないのに・・・感謝です。

場所は、ウィグモア・ホールという、こじんまりした、でも由緒正しいホール。舞台も小さく、客席も少ないので、室内楽用なのかな?おかげで、間近に素晴らしい演奏を聴くことができて感動。そして、同じ出身大学の日本人の方にもばったりお会いしてびっくり(ま、2ヶ月に1度、飲み会で会ってますが・・・)。
ジャンキーとランチとウィグモア・ホール_e0018350_22163634.jpg

ホール自体の内装も美しくて素敵だし、休憩時間にはワインまでご馳走になってしまって、何だか本当に優雅な気分に浸ってしまいました。たまには人間、生活の中に音楽を聴くゆとりがあっても良いかな?ロンドンだと、クラシック・コンサートも案外安く行けそうなので、ちょっと調べてみようかと思います。(先日、五嶋みどりのイベントもあったし。行けなかったけど。)
by bancho55a | 2008-04-01 00:00 | 07.9- イギリス生活 UK