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番長が旅した37ヵ国の旅行記など。ほとんど一人旅。3年半のイギリス滞在を終え、2010年2月に日本に帰ってきました。


by bancho55a

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全体
07.9- イギリス生活 UK
10.1-2 モロッコ・エジプト
09.12 ハンガリー
09.11 トルコ・ギリシャ
09.3 ダブリン
08.12 プラハ
08.11 クロアチア
08.10 リヨン
08.08 チューリッヒ
08.6 アムステルダム
08.6 バルセロナ Barcelona
08.5 ベルギー Belgium
06.9-07.9 イギリス留学UK
07.10 マルタ島 Malta
05.11 イギリス UK
05.6 北欧 Scandinavia
05.1 Jamaica&Cuba
04.8 コスタリカCosta Rica
04.6 イギリス UK
03.11 スペイン Spain
03.5 韓国 South Korea
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わかってくれる友達

最近、クリスの後任の先生への不満がかなり強い。生徒達から文句を聞くたびに、改めてクリスが良い先生だったんだということに気づく。最終日に生徒から「あなたはダイナミックで、忍耐強く、きめ細かく、ちゃんとしたメソッドを持った、素晴らしい先生です」という手紙をもらって「宝物だよ~」と喜んでいたが、それも良く分かる。

そんなこんなで、受付仕事でストレスが溜まることが多い。最近の睡眠不足とずっと治らない風邪もあいまって、かなり停滞気味。毎日朝6:30に起きて会社に行き、午前9時から夜の7:30頃まで仕事をし、夜8:30に帰宅して食事を胃に詰め込み、また外出してインターネットカフェで翻訳仕事。寝るのは深夜1時近く。・・・私にとって、6時間睡眠はかなりキツイのであります。土日も忙しく、やはり6時間程度しか睡眠取れないし・・・。週末になると風邪が少し良くなり、週明けからまた悪化する・・・の繰り返し。天気は悪いし、寒いし、ああ、今年もやってきたよイギリスの鬱な秋が、さ。

昨日、クリスから一緒にご飯食べようと言われていたので、今日は気分を切り替え、早めに片付けを始めた。この辺まで来るのかなー、終業時間の7時になったら電話してみようかなー、と考えながらボロボロな姿で受付に座っていると、なんとフツーに学校の階段を昇ってきたのでびっくり。校長にばったり会う危険性とか考えなかったのかしら?(ま、悪いことをしてるわけじゃないんだけど。)

今日は生徒達も早々と帰ってしまい、フロアには私一人だったので、「入ってもいい?」と受付の中に入って来て、隣のパトリシアの席に座る。

「ツカレタ?」
「うん、すんごい疲れたよー、もう、毎日クレームが多くてげんなりだよー」
「ネー、タイヘンダネー」

と、電話が鳴る。

「○○カレッジです」

と出ると、ギャーーーッ、本日のクレーム女王の学生からだ。数時間前に散々クレーム言いまくってパトリシアを発狂寸前に追い込んだのに、まだ足りないのか!

「バシャはいる?バシャを出して」
「いません。」
「じゃあバシャから私に電話させて」
「できません。」
「今すぐバシャに電話かけなさいよ」
「会議中で携帯切ってるからかけても出ません(ウソだけど)」
「じゃあバシャの電話番号教えなさいよ」
「それはできません。」

誰だってこんな対応したら怒るよなぁーと思うけど、当たり前だけど、本当にカンカンに怒っている。で、ほとんど上記の問答の繰り返し。最後は怒鳴り合いに近くなってくる。相手も10分以上、電話を切ろうとしない。

「とにかく、バシャの番号は教えられません。私に出来るのは、あなたのメッセージをバシャに伝えることだけです。それは、必ず、伝えます。」

これを一語ずつゆっくりと、5回連続で繰り返した。壊れたテープレコーダーみたいな私。さすがにあきらめたのか、電話は切れた。

ぐったりとイスに座り込むと、隣に座ってたクリスが

「うーん、大変だねー・・・。大丈夫?」
「うん・・・。この人、昼間も15分くらいずっとパトリシアと言い合いしてたの。」
「誰?僕、分かるかもしれないな」
「○○って子だけど・・・」
「あ!分かるよー!うわーっ、それは大変だね。僕もいつも彼女には悩まされてたんだ。彼女は集団の中にいても自分の利益だけを考えるから、皆の調和が崩れて、授業がうまく進まなくなるんだ。そして、自分がその元凶だということには全く気づいていないんだよ。」

今回のクレームについては、自分が悪いわけじゃないのは分かってたけど、それでも、こうやって言ってもらうととても気が楽になる。そこから発展して、この学校の欠点は何か、何が足りないのか、という話をかなり長いことした。クリスの意見では、ビジョンが無いのが一番悪いらしい。そう言われると、私があちこちで感じていた小さな不満は、すべてそこから派生しているように思われる。

「学校に必要なのは、○○機関からの認可、××協会承認、なんていうのだけじゃないんだ。こんな風に(と受付の背後の壁を指差して)そういう証明書を額に入れて飾っておくだけじゃダメ。あそこの壁には何よりもまず、自分達の使命は何か、大切にしていることは何か、を掲げて、それをスタッフ全員で共有すべきなんだよ。そういう肝心なことができていないんだ、ここは。」

普段自分が感じていたモヤモヤした気持ちを全部言ってもらって、すっきりしたような気分だった。学校への不満は多々あるけど、今まで誰にも言うことができずに、自分の中で抱え込んでいたから。ハファは良い子すぎて、あまり毒気のある批判とか言いにくいし、パトリシアとは共有できるけど、そもそもこういう問題を深く突っ込んで考えるタイプの子じゃないし、他のスタッフとはまだそんなに仲良くないし、学外には友達がいないし・・・。だから、問題を共有できて、一緒に考えてくれる、分かってくれる人が身近にいるんだー、と感じて、かなり肩が軽くなったような気がする。

30分ほどあれこれ話した後、そろそろご飯に行こうか・・・となった時、また電話が鳴った。もう営業時間とっくに過ぎてますが。

「えー・・・どうしよう、やだ、出たくないよー、また彼女かもしれないよー」
「うーん、でも、出たら?」

容赦ないクリスの言葉に出てみると、うわーっ大当たり!

「バシャを出しなさいよ」

またあのリピート合戦が続くのか・・・とかなりげんなりしたけど、それは向こうも一緒だったのか、今回は1分で切れた。ほっ・・。

もう退散するに限りますね。

すっかり冬の装いの街に出る。かなり寒いんですけど。。。

取りあえず、オックスフォード・ストリートからソーホーに抜ける道を歩いた。素敵なレストランはちらほらあるんだけど、2人でメニューを見て、・・・「えーっと、次探そっか!」

・・・ビンボーな我々・・・。(はい、イギリス社会の底辺で生きております。)

最後にとあるパブに入り、ビール、バーガーにリゾットという不健康な食事。ぐったり疲れた後のせいか、安いビール(フォスター)なのに、何だかすごく美味しい。うーむ、在英生活1年、私の味覚も来る所まで来たか。

そこでは、日本の社会についていろいろ話した。クリスは3年日本にいたせいか、しかも札幌にいたせいか、かなり日本社会を斜めから、鋭く見ている。「ガイジン」「白人」に対する日本人の好奇の目、多少の憧れと裏腹な敵意、微妙な対応の違い、自分を強く見せたい不良達のかっこうの標的にされるガイジンや、六本木で一部の日本人に大人気で、何年日本にいても英語だけで生きていける、そしてちやほやされて勘違いしてしまう外国人たちに対する批判なんか、かなり的を射ていた。

この間、自然史博物館に行った時はほとんど全く英語がしゃべれなくなってしまった私なのに、今日はうって変わって、何の躊躇も無くすらすらと言いたいことが出てくるのに驚いた。自分の中のモードが切り替わると、英語に対する距離感がかなり変化するのには薄々気づいていたが、それにしても・・・。途中、日本人の友達から国際電話がかかってきたのだが、むしろそっちで何か話そうとすると、キーワードがすべて英語になってしまって話すのに不自由したりして。こういう変化って、何で起こるんだろう?トピックが、普段自分が考えていることだから?忙しい受付仕事の中で、反射的に英語を話す環境にどっぷり浸かったから?もしかして、クレームの嵐でキレて、自分の中で何かの抑制がはずれた?・・・それを解き明かせたら、その時はもう完璧なバイリンガルになれているんだろうか・・・??
by bancho55a | 2007-10-24 00:00 | 07.9- イギリス生活 UK