人気ブログランキング | 話題のタグを見る


番長が旅した37ヵ国の旅行記など。ほとんど一人旅。3年半のイギリス滞在を終え、2010年2月に日本に帰ってきました。


by bancho55a

S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31

カテゴリ

全体
07.9- イギリス生活 UK
10.1-2 モロッコ・エジプト
09.12 ハンガリー
09.11 トルコ・ギリシャ
09.3 ダブリン
08.12 プラハ
08.11 クロアチア
08.10 リヨン
08.08 チューリッヒ
08.6 アムステルダム
08.6 バルセロナ Barcelona
08.5 ベルギー Belgium
06.9-07.9 イギリス留学UK
07.10 マルタ島 Malta
05.11 イギリス UK
05.6 北欧 Scandinavia
05.1 Jamaica&Cuba
04.8 コスタリカCosta Rica
04.6 イギリス UK
03.11 スペイン Spain
03.5 韓国 South Korea
海外旅行履歴
国内旅行
お祭り
未分類

マイリンク

以前の記事

2011年 01月
2010年 05月
2010年 04月
2010年 02月
2010年 01月
2009年 12月
2009年 11月
2009年 10月
2009年 09月
2009年 08月
2009年 07月
2009年 06月
2009年 05月
2009年 04月
2009年 03月
2009年 02月
2009年 01月
2008年 12月
2008年 11月
2008年 10月
2008年 09月
2008年 08月
2008年 07月
2008年 06月
2008年 05月
2008年 04月
2008年 03月
2008年 02月
2008年 01月
2007年 12月
2007年 11月
2007年 10月
2007年 09月
2007年 08月
2007年 07月
2007年 06月
2007年 05月
2007年 04月
2007年 03月
2007年 02月
2007年 01月
2006年 12月
2006年 11月
2006年 10月
2006年 09月
2006年 05月
2006年 04月
2006年 03月
2005年 11月
2005年 09月
2005年 08月
2005年 07月
2005年 06月
2005年 01月
2004年 08月
2004年 06月
2003年 11月
2003年 05月

その他のジャンル

ファン

記事ランキング

ブログジャンル

画像一覧

派遣会社で奈落の底に・・・

先日行った派遣会社からは、早速2件の求人情報が寄せられた。どちらも良さそうな内容だったので、取りあえず進めてもらう。しかし、日本の派遣とこちらの派遣、進み方が違う、というのが、最近やっと分かってきた。(まあ、私の日本の情報は5年以上前なので、今は違うのかもしれませんが・・・)

日本の派遣の場合は、「A社はどうですか?」と言われて、内容が気に入らないと断ることもしょっちゅうだった。しかし、こちらでは「あまり考えずに、取りあえず番長さんにはどんどん受けて欲しいんです。先方に履歴書を送るだけなら、バッティングしても構いません。」と言われる。

日本の時は、「じゃあ、A社で進めて下さい。」とお願いすると、自動的に私の情報がブロックされるような感じで、同じ派遣会社の別の担当者から「B社はどうですか?」と言われても、「いや、今、A社の話が進んでいて・・・」と言うと、「じゃあ今回はやめましょう。」みたいな感じになる。応募者内でのバッティングを避けよう、避けようとするのだ。しかしこちらは、自社内なら誰がどこに応募中か、なんて全く関係ないようだ。他社で動いているものだけ教えて下さい、その企業とはバッティングしないようにします、と言われるだけ。

日本の派遣会社の時は、履歴書を送ってもらうとすぐに面接のアポが入って、面接するとほぼ100%仕事決定、という流れだったので、先方に履歴書を送ってもらう前の段階で、その会社のこの業務内容で本当に良いのか、あれこれ調べてはいろいろ悩んでいた。だがこちらは、1つのポジションに30-40人の応募が殺到する状況のせいか、履歴書を送っても、先方から面接のアポが入らない。最初は自分ってそんなにダメな人間なのか?とショックだったが、倍率が30-40倍と聞いて少し安心した。特に私の場合はビザ問題があるので、他の人よりも難しいらしい。

ということで、常に数件の話が「進んでいる」状態にある。しかし、そのほぼ全てが「たぶんもう履歴書段階でハネれらてる」状態なのだ。

このままでは埒が明かないので、他の派遣会社にも登録することにした。

ということで、今日は3つ目の会社。既に1ヶ月ほど前にCV(履歴書)は送ってあり、ロンドンに引っ越し次第、登録面接に来て下さい、と言われていた。いや、電話面接でもOKと言われていたのだが、どうも私、古い人間で、電話での会話ってダメなんですよね・・・英語・日本語問わず、面と向かっての面接の方がずっとやりやすい。

この派遣会社は、返信してきたのが日本人ではなかったので、うーん、面接は英語なのかな・・・とちょっと不安だった。朝、自室でくつろいでいると、電話が鳴る。

「あ、もしもし番長さんですか?実は担当者が今日お休みで、代わりに私(仮にAさんとしましょう)が会いますので、午後に来て頂けますか?」

あ、日本語だ。良かった。しかし、微妙に不安定な発音。帰国子女っぽい。というか、日本語が母国語ではない感じ。

指定の時間に某社に出向く。受付のセキュリティを通り、エレベーターで上に上がると、Aさんが待っていてくれた。部屋に通され、個人情報シートを渡され、細かい契約内容を確認してサインする。今までの派遣会社より本格的だ。ちなみにオフィスも、今までの会社と比べるとかなり広く、お金がかかってる感じがする(笑)

「本日、担当者が休みですので、私が代わりにお話を伺います。」

どうやらAさんはコンサルタントではなく、そのアシスタントらしい。少しはにかんだような笑顔で、感じの良い人。ああ、この人との面接でよかった、と胸を撫で下ろしたのもつかの間、

「えっと・・・英語でもいいですか?」

が、がーーーん。やだー、やめてーっ!!聞くところによると、Aさんはロンドンで生まれ育った為、日本語にあまり自信が無いらしい。うーん、やはりそうであったか・・・

ということで、そこからは英語で、私の経歴についての質問とか、希望職種その他の話にうつる。でも英語ネイティブといっても、日本人の頭蓋骨を持つAさんの英語発音は、とても聞きやすい(いや、ぜったいアジア人の頭蓋骨の発音は違いますって!声がくぐもらないの)し、イギリス英語のアクセントも強くない。こんなに聞きやすい英語は初めてだった。なのでリラックスできて、我ながら良くしゃべれた。(自分で言うな)

「番長さん、こちらに来てまだ1年なんですか?でも英語、とてもお出来になりますね。」
「あ、でも20年前にアメリカに留学してたんです。」
「でもそれもたった1年間ですよね。いや、素晴らしいです。」

ネイティブの人にそんなお世辞を言われると嬉しくなってしまう。つられて、「いや、それはあなたの発音が聞きやすいからです。ふだんはサンドイッチ一つ買うのに、なぜだか全くしゃべれなくなって『アー、さ、サンドイッチ、プ、プ、プリーズ』なんてなってしまうこともしょっちゅうですよ。」なんて言ってしまいそうになった。あぶない、あぶない。

一通り話が終わった。「今日はコンサルタントが休みですので、また後日ご連絡します。」というAさんに、「すると、次の連絡は具体的な仕事の案件が入ってからということになるんですか?できれば、今、仕事の可能性がどれだけあるか、感触をお聞きしたいのですが・・・」と尋ねる番長。実は、単にIGSビザだと一般的にどれだけ難しいのか、を聞きたかったのだが、私の英語力のつたなさで、Aさんには違う意味合いで伝わったようだ。

「分かりました。私はアシスタントなので、そういう話はできません。それでは、これから今いるコンサルタントに話をして、具体的な案件がないか聞いてみます。うちには○人コンサルタントがいて、×人は今日休みなのですが、残りのコンサルタントには、できるだけ会いたいですよね?」

意外な展開にびっくりしたが、「ええ、ぜひ。」と返事してみた。

「では、少しお待ち下さい。」

と、出て行くAさん。ふぅー、一人、部屋に残されてホッとした。うんうん伸びをして、首を回し、全身のコリを取る。今日は真冬かと思うほど、風雨が強く寒い日。暖かい紅茶でも欲しい・・・いや、それよりトイレに行きたい・・・などと思っていると、ドアがノックされて、最初のコンサルタント、Bさんがやってきた。どうやら業界によって担当者が分かれているらしい。

そこからはずっと、日本語の会話でホッとする。私の経歴をざっと再確認し、「今は求人は無いのですが・・・あ、番長さんはヨーロッパでもアメリカでもいいんですね?」

あー、そういえばそんな事を1ヶ月前に書いた気がする。

「実は、ヨーロッパの方がビザが下りやすいんです。正直、イギリスではIGSビザで1年働いても、1年後に会社がビザ延長を申請した際、事務職だとほぼ完全にハネられている状況です。ご存知の通り、この国は今、人口増加が問題になってますよね?ビザ不要のヨーロッパから大量に人口が流入してきてて、彼らは受け入れなければならない。だから、ビザを持たない日本人、アジア人なんかはどんどん追い返そうとしているんです。一方、ヨーロッパでもドイツや、特に東欧は、仕事が決まれば、日本人でもすぐビザを出してくれる状況です。」

「なるほど・・・でも、私、英語と日本語しか出来ないんですが・・・それでも大丈夫なんですか?」

「ええ。最初は英語と日本語だけでOK、あとは人柄。現地語は赴任してから徐々に覚えて下さい、という感じです。」

東欧で働きたい皆様、ぜひご検討下さいませ。

Bさんが去った後、Cさんがやって来た。

「どうも、わたくしCと申します。えーっと番長さんの経歴は、、、はいはい、なるほど、なるほど。」

仕事の出来る女性なのだろう、早口でどんどん話が進んでいく。しかも、かなり個性的な女性で、なかなか面白い。変わっているけど、好感を持たれるタイプ、といった感じだ。自分をオープンに出しているからだろうか。

「分かりました。今、わたくしが抱えている中から、番長さんに合いそうな求人を4件持って参ります。このままお待ち下さい。」

Cさんが去る。ああ、トイレに行きたい。・・・と、Dさんがやって来た。

「どうも。あ、番長さんはエンターテイメント業界が長いんですね。僕も昔、イギリスのレコード会社に勤めていて、日本の○○にアーティストを送り出したりしましたよ。」

な、懐かしい・・・。そこから音楽話に花が咲いた。(あ、あのー・・・私の就職相談はどこへ・・・)

「・・・というわけで、フムフム。僕の所も今のところ求人は無いんですが、どんどん回しましょう。ちなみに、ヨーロッパの小さいレコード会社なんか、興味は無いですか?」

面白そうな話だが、業界的にも規模的にも場所的にもかなり不安定な話ではないですか。

「ですよね。フムフム。いやー、しかし番長さんは人権を学ばれたんですか。やっぱりイギリスはそういう学問が発達してますよね。日本の会社なんかだと、人権やってるやつなんか採用したら、後でどんな文句つけられるかわかんない、なんて二の足踏んじゃいますけどね。」

・・・実はそれを今、とっても恐れている番長なのでした。えへ。私の勉強してたのは先進国の人権じゃないから、全然関係ないんですよー、人事のみなさーん!文句の一つも言わずに働きますから、雇ってぇーー!!

Dさんも去り、さっきのCさんが入ってくる。

「お待たせしてごめんなさいね。こちらが求人です。それぞれお読みになって、ご返事をメールで聞かせて下さい。」
「有難うございます。ただ、ご連絡申し上げるのが明日以降になってしまいますが、それでも宜しいですか?」
「ええ、もちろんです。わたくし、休日でもたまにササっと会社に現れて、(カチャカチャッとパソコンを打つマネ)こんな風にやってますのよ(ニコッ)」

やっぱこの人、好きかも・・・(笑)

Cさんと入れ違いにEさんが入ってきた。ああ、もうトイレには行けないな。

「なるほど、そういったご経歴ですか。しかし、IGSビザがね・・・。番長さんは、こちらにパートナーがいらっしゃったり、結婚なさるご予定は?」

出たよー、この質問。

「そうですか、どちらも無いんですね。では、IGSビザの申請が出来るようになり次第、一刻も早くビザを切り替えて下さい。正直、今のままでは、仕事を見つけるのはかなり難しいです。」

え、えええーーーっ!!??

「番長さんの学生ビザでは、確かにフルタイムで働けます。だけど、あと4ヶ月で切れてしまう。企業側にしてみれば、何であと4ヶ月しかいない人を採用するんだ?ってことになってしまうんです。その後、IGSビザに切り替えるといっても、ビザが取れるかどうかは100%保証されたわけじゃない。人事はかならずビザ期間をチェックしてきますから、履歴書の段階でハネられてしまうんです。」

にゃ、にゃーんと・・・そういうわけだったのかーー!!ってことは・・・少なくとも12月までは、仕事が見つからないってことじゃん!!

がーんがーんがーん・・・ _| ̄|○

「それにしても・・・番長さん、これだけの経歴をお持ちで、しかも修士も取得されるご予定。英語は大変良くお出来になる(Aさんが高評価をくれたらしい)。日本に帰れば仕事は選び放題ですよね?どうしてわざわざイギリスで就職なさろうとしているんですか?」

「ずっと夢だったんです・・・」

日本に帰ったって、仕事はちっとも選べない(5年前に、ジャパン・タイムス掲載の求人に、3件続けて履歴書落ちしてから恐怖症です)し、修士なんか取っても日本はちっとも評価してくれないし、いつも皆に笑われる経歴だし(沖縄でのヤクザな仕事期間が・・しかし、同時に皆が興味を持ってくれるので、話が弾むきっかけにもなってるが)。派遣会社は、なんでこうも実態に即さない社交辞令を言ってくるのか・・・。

「長いことお引止めしてごめんなさいね、疲れたでしょう?」
「いえ、今日いきなりでお忙しいところ、皆さんがお時間を割いて下さって、本当に有難く思っています。」

でも早くトイレに行きたい・・・。

派遣会社を去り、1階の受付でトイレの場所を聞き、駆け込んでやっと心からほっとした。

しかし、ビザ問題がそんなに壁になっていたとは・・・。
軽くショックを受けながら重厚なビルを出たときには、既に2時間以上が経過していた。夕方のシティは、仕事を終えて帰宅の途に着くビジネスマンと、金曜の夜に遊びに出ようとする若者でごった返している。その中で、仕事もしていない、遊びの予定も無い、中途半端な私・・・。

(とりあえず・・・とりあえず、短期でも何でも仕事を見つけよう。とにかくお金が無いと、生きていけない。)

とっても手近な所に目標を置き、ランチ抜きでフラフラの体を引きずるように、家に向って一歩一歩、進んでいく番長でした。
by bancho55a | 2007-09-28 00:00 | 07.9- イギリス生活 UK