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番長が旅した37ヵ国の旅行記など。ほとんど一人旅。3年半のイギリス滞在を終え、2010年2月に日本に帰ってきました。


by bancho55a

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07.9- イギリス生活 UK
10.1-2 モロッコ・エジプト
09.12 ハンガリー
09.11 トルコ・ギリシャ
09.3 ダブリン
08.12 プラハ
08.11 クロアチア
08.10 リヨン
08.08 チューリッヒ
08.6 アムステルダム
08.6 バルセロナ Barcelona
08.5 ベルギー Belgium
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07.10 マルタ島 Malta
05.11 イギリス UK
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トルコ・ギリシャ旅行~第7日 その3・硬派な話

11月20日(金)

そんなわけで、夕食前に、やらないといけないことをやりにいく番長。
部屋を出て、ハマムの居間を抜け、外に出て階段から階段へと飛び移り、空中楼閣のテラスから居間に入り、隣のレセプションへ。(だいぶ慣れてきたぞ、このホテル♪)
写真が無いのも寂しいので、ホテルのウェブサイトから拝借します。
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誰かいるかな~とレセプションをのぞきこむと、ハクが静かに仕事をしていた。これは都合が良い。
ハクは、このホテルのマネジャーです。30歳くらい、可愛い顔にハードな革ジャンがお似合い。いつものように、少しけだるそうに話しかけてくる。

ハク「元気?どう、楽しんでる?」
番長「うん、今日はツアーに行ってきたよ。そうそう、バルーン、危なくなかったよ(笑)」
ハク「そう、バルーンは安全なんだよ。」
番長「うん、でさ、私、明日朝早くチェックアウトするから、今のうちに支払いしとこうと思って。」
ハク「OK、そこに座って。」

と、パソコンに向かってキーボードを叩くハク。ツアー営業や10%割引など、全部ハクと話をした内容なので、支払いも確認しやすいから便利だ。パソコンの画面を見ながら、清算書に手書き(!)していくハク。そして、電卓で計算。あ、あの~、かなりアナログですね^^;

ハク「じゃあこれで。確認してくれる?」

正直、ハクの仕事に手落ちはなさそうなので確認する必要はないが、トルコリラやユーロが混ざっているのでいちおう見ておく。はい、では支払いを。

ハク「明日はどこに行くの?」
番「サフランボルに。で、イスタンブールに戻ってロンドンに帰る。」
ハク「ロンドンにはずっと住む予定なの?」
番「うん、そうしたいんだけど、今ビザが厳しいからどうなるか分からないんだ。本社と交渉してもらってるんだけど、日本に帰る可能性の方が強いかな~」
ハク「日本に帰りなよ。イギリスなんてちっとも良くない。日本がいいよ。」

・・・・・。

今までけだるく話していたハクが、急に語気を強めたのでちょっとびっくりした。なんでそんなに確信を持って言うんだ?ハクの英語はほとんど訛りがないから、アメリカかイギリスに留学したんだろうとは思っていたが、イギリスで嫌な目にでも遭ったんだろうか?(これについては、次の町、サフランボルで、もしかして?と思い当たる事があった。)

番「んー。分かってるよ、日本が素晴らしい国だって。何を比べても、イギリスより日本の方がずっといいんだよ。だけど、、、」
ハク「だけど、イギリスが好きなんだね。」

・・・・・・。

そうなのだ。最悪なカスタマー・サービス、すぐ壊れる電化製品、いつも遅れる交通機関、ゴミだらけの街、意地の悪い人々、階級制度、人種差別、何から何まで。イギリスに対して何千回、何万回もついたため息を、3歩あるくと忘れてしまう番長、なんでいつまでも学習しないの?それは、やっぱり、イギリスが好きだからなんだろう。

番「ハクは日本に行ったことがあるんだっけ?」
ハク「うん、3ヶ月くらい行ってた。」
番「語学の勉強?」
ハク「ううん、その頃はもう日本語が少し話せたからね。」

と言った後で、小さな声で

「大学デ、日本語ヲ、勉強シマシタ。」

と日本語で話した。英語と同じ、訛りのほとんどない日本語。でもそれ以上話そうとしないのは自信がないからだろう。プライド高そうだからなぁ。

ハク「日本には友達がいたから、あちこち泊まり歩いて安く旅行したんだ。日本人の友達、トルコ人の友達。日本女性と結婚して日本に住んでるトルコ人も意外といるんだよ。」
番「そういえば、今朝のバルーン会社にもトルコ人と結婚した日本人女性がいたよ。」
ハク「あっそうだね。えーと、彼女の名前は・・・○○。」
番「じゃあきっと、ハクは私よりも日本のいろんなとこに行ってそうだね。」

ハクは丁寧に微笑した。

番「じゃあさ、そんなハクから見て、日本の良い所と悪い所って何だと思う?何言われても腹立てないから、言ってみて。」
ハク「良い所は、トルコと違うところだ。いろいろ違うところがあって、それが良い。」

ハクにしては歯切れの悪い回答だ。たぶん、とっさに「良い所」が見つからなかったんだろう^^;

番「悪い所は?」

遠慮するかと思ったが、ハクはむしろ身を乗り出して話し始めた。

「特に若者に言えることだけど、アメリカナイズされすぎてることだね。日本はアメリカよりもずっと長い歴史があるのに、なんであんなにアメリカ礼賛なの?アメリカに頼りきってるみたいだ。もちろん知ってるよ、いろんな点で、アメリカの傘の下に入らなきゃいけない事情があるっていうのは。でもやりすぎだ。そういう意味で、今回、政権が交代したのはいいかもしれないね。新政権はそれほどアメリカべったりじゃなさそうだから、アメリカ離れするいい機会かもしれない。」

番長が口を挟む余裕も無く、熱のこもった口調が続く。

「日本はもっと自分の歴史から学べることがたくさんあるはずだ。もったいないよ。日本のあちこちを周ったけど・・・カミカゼ博物館には行ったことある?」

な、なんか話がヤバそうな方向に・・・^^;

番「カミカゼ博物館?そんなのあるの?」
ハク「チランにね。」

知覧のことか。

ハク「イブスキの近くだよ。あそこには、出征前の若い兵士の手紙が展示されている。母親に宛てた手紙がね。読んでると涙が出てくるよ、心が痛む。映画にもなったでしょ?イオウジマ。」

『硫黄島からの手紙』か。見てないんだよなぁ。。。あ、それで昨日、渡辺謙の話が出たのか。

ハク「でも、アメリカナイズの問題は日本だけじゃない。トルコもそうなんだ。トルコだって、アメリカよりもずっと長い歴史があるのに、若者は日本と同じように、ウェスタナイズされすぎている。街を歩けば欧米のブランドばかり。その服が似合うから、好きだから買うんならいいけど、みんなただ見せびらかしたいだけなんだ。」

あのけだるいハクからこんな熱い硬派な話が聞けると思わなかったので驚いたが、とても面白かった。

ハク「ところでさ、日本の最近の男の子で、化粧してるのを見てびっくりしたんだけど・・・あれはどうなの?」
番「うん、、、私もあれはちょっとイタダケナイかも・・・」
ハク「良かった、そう思うのは僕だけじゃないんだね。」

でも正直、華奢で可愛いハクに化粧は似合うかも。

もっといろんな話を聞きたかったが、考えてみたらハクは仕事中だったので、そろそろおいとますることにした。

ハク「そうか、うん、、、君と話せてよかったよ。夕飯はどうするの?ここで食べてく?」
番「うーん、どうしようかな。それも1つの案だけど・・・」
ハク「そうしなよ、ここのご飯は美味しいよ。こんなケーキも食べられるしね。」

ちょうど、別のスタッフがハクのデスク上に大きなケーキを置いていったところだった。ハクとケーキ。。。妙にお似合いだ(笑)。でも昨日、番長がここのレストランについて聞いた時は、「外にも美味しいレストランがたくさんあるよ」と、気のない返事をしてたのに。ま、そのおかげでローカルで美味しい食事にありつけたんだけど。そうそう、ローカルのシェフに今日も来いと言われてたんだっけ。

番「ま、部屋に戻ってから、ここで食べるか外に行くか決めるわ。」
ハク「お好きなように。じゃあね。」

ハクはもうすっかり、もとのけだるい調子に戻っていた。

ギョレメに似合わない硬派な話をしちゃったな~と思いつつ、ハマムの居間を通り抜けて部屋に帰ろうとすると、昨日番長の体を洗ってくれた、キルギス人の男の子がぼんやりと居間のソファに座っていた。今日はこれ以上予約がないので、もう仕事も終わりだという。なので、ちょっと話してみた。

番「キルギスからトルコに来る人って多いの?」
キ「うん、わりといるよ。」
番「トルコ語はこっちに来てから習ったの?」
キ「うん。」
番「私、よく知らないんだけど、キルギスってソ連から独立したんでしょ?前よりも自由になったって思う?」
キ「うん、そう、、、ごめん、僕、あまり英語はなせないんだ。でも、昔、昔、大変だった。厳しかった。でもそこで、ボム!それがなくなった。新しい世界だ。自由、自由だ!」

とても優しい顔をしている子だけど、さっきのハクのように、熱をこめて話していた。何とか分かって欲しい、伝えたい、という気持ちが伝わってくる。日本の一般的な若者とは違うな・・・と思う。日本は世界の国の中でも平和な方だから、それだけ、国の体制とか歴史について、身近に感じる機会が少ないのかもしれない。

部屋に戻り、ちょっと考えたけど、やはり昨日のレストラン、ローカルに行くことにした。とても美味しかったので。

夕暮れの中をローカルに向かって歩く。ギョレメの村の中は、本当にゆる~くゆる~く時が流れていて、ほっこりと幸せな気分になってくる。奇岩もだいぶ見慣れてきたけど、それでもやはり不思議な感じだ。

ローカルに着くと、昨日はいなかった、スーツを着たマネジャーみたいな男性がいた。店の雰囲気も昨日より緊張感がある。考えてみれば、昨日は午後4時頃?中途半端な時間だったので、マネジャーもいなくてのんびりしていたのかもしれない。

テーブルについてメニューを見る。てっきりシェフが出てくるかと思ったが、そんな雰囲気の中では影も見えなかった。しかたなく、ウェイターに「昨日、シェフのお薦めがあるって言われたんですが・・・」と聞いてみる。

ウェイターは奥に行き、少したって戻り、「こちらの料理がお薦めだと言っています。」と告げた。見れば、昨日、最初にシェフがしきりに薦めていた料理である。「妖精の煙突」という、この地方のある種の奇岩の呼び名がついていた。それとビールを注文する。

さて、出てきたのはこの料理。見かけは悪いけど、食べてみると
トルコ・ギリシャ旅行~第7日 その3・硬派な話_e0018350_9241864.jpg

「美味しい~~、美味しいぞお~~!」

昨日からの期待を裏切らない、これまた美味しい料理でした。思わず赤ワインをオーダーしてしまう。

マネジャーらしき男性は、向こうにいるカップル客の知り合いか、いろいろと談笑し、帰り際に
「あなた達はこの店の特別なお客様です。またぜひいらしてください。」
と、満面の笑みで見送っていた。そのあと番長のテーブルに来て、

「あなたも当店の特別なお客様です。うちのシェフは、あなたのために、メニューにない料理を作ったんですよ!」

とニコニコと話した。えー、さっき、ウェイターさんが「こちらの料理です」ってメニュー指差してたけどなぁ。

さて、デザートを頼もうか、どうしようか・・・と思っていると、奥から昨日のシェフが、フルーツの盛り合わせを手に現れた。サービスしてくれるらしい。わーいありがとう!数種類のフルーツがきれいにカッティングされ、美しかった。シェフは昨日と違ってちゃんと制服を着ている。「今日の料理も美味しかったよ!」と言うと、嬉しそうに、しかしちょっと他人行儀に挨拶して戻っていった。マネジャーの目が光っていたからか。

満腹を抱え、ヨロヨロとホテルに戻った。まだ夜の8時だけど、明日も早いし、寝るかな・・・と思いつつ、どうせこの満腹ではすぐには寝られないので、ネットやりに行くことにした。これから先のホテルでネット環境があるかは疑問だし。

いつもの、レセプションの隣の居間のパソコンを見るとふさがっていたので、もう一つのパソコン部屋へ。こちらはテラスの奥にある、別の居間の中にある。居心地の良い部屋だが、たいてい誰もいなくて貸し切り状態だ。それがさらに居心地よさを増しているのだが。

フェイスブックをチェックすると、なんたること!2年前、英語学校で働いていた頃のトルコ人の同僚Sから友達リクエストが来ていた。今はトルコに戻っていると言う。イスタンブール近くのブルサという町に住んでいるが、どうも旅行中には会えそうにない。惜しい事を・・・!Sは本当に心の優しい、良い子だったのだ。仕事もサボらないできちんとやっていたし、番長が困っている時もいろいろと助けてくれた。「自分の仕事じゃないから」と、他の皆がさっさと逃げてしまう時も、「いいよ、やるよ。心配しないで。」と、きつい仕事を引き受けてくれたり。そんなところが日本人みたいで、感動したのを覚えている。

今回は会えなかったけど、こんどトルコに来る時には絶対ブルサに寄ってSに会うぞ!(そしてブルサには温泉もあるのだ!笑)


・・・ここで字数制限に達したので、その4に続きます。
by bancho55a | 2010-01-23 10:01 | 09.11 トルコ・ギリシャ